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名古屋市。国内初の生物多様性保全に資する「ネイチャーボンド」を9月に発行へ。希少動植物の保全事業等に充当。グリーンボンドと併用。総額50億円の予定(RIEF)

2025-08-07 14:03:04

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  名古屋市は、自然保全のネイチャー適格プロジェクトを資金使途先に加える初のネイチャーボンドを9月に発行すると公表した。グリーンボンドと併用する。国内でネイチャーボンドが発行されるのは今回が初めてだ。発行額50億円を見込んでいる。対象となる事業は、東山動物園の再生整備で新たに設ける「希少動植物の保全・増殖生態系の保全」事業に充当するとしている。

 

 同市によると、発行するボンドは、5年債で、発行額は約50億円。機関投資家等の法人向け。9月5日に発行条件を決定し、同22日に発行を予定している。

 

 資金使途では、ネイチャー事業としては生物多様性の保全策で、東山動植物園再生整備で、希少動物の「保護」と「増殖」の場の確保を目指す。グリーン事業では、気候変動の適応策として、子供たちの熱中症予防のため、市内の学校体育館の空調設備の整備のほか、グリーンビルディング事業では瑞穂公園陸上競技場の改築、汚染防止管理事業のごみ焼却施設の改修・更新等にも投じる。

 

 

 2022年12月の国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)では、2030年までに自然の損失を止め、反転させる「ネイチャーポジティブ」を掲げた「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」が採択され、その保全策の一つに、希少動植物の再生・保全事業が盛り込まれている。名古屋市では、東山動植物園の再生事業において、希少な動植物の研究や、動植物の展示を通じた環境教育等を盛り込むことで、GBFに準拠する活動を実践する計画だ。

 

コモドオオトカゲは国際自然保護連合のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている
コモドオオトカゲは国際自然保護連合のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている

 

 東山動植物園は、日本で初めてコアラの繁殖に成功した動物園として知られている。希少動物の保護にも力を入れており、例えば、インドネシアの「国宝」とされるコモドオオトカゲを日本で唯一、飼育している。同動植物園では、2019年度から「東山動植物園再生プラン」を実施しており、老朽化施設の改築や、魅力的な展示、環境負荷の減少などを目指している。

 

 東山動植物園での再生・保全事業については、国際資本市場協会(ICMA)がGBFに基づき設定した「Sustainable Bonds for Nature: A Practitioner’s Guide(ネイチャーボンドガイド)」に準拠したフレームワークを策定した。同フレームワークはICMAのガイドに準拠した国内初のフレームワークと位置付けている。

 

 同フレームワークの第三者評価については日本格付研究所(JCR)が行った。引き受け主幹事は、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、野村證券が担当した。みずほがストラクチャリング・エージェントを務めた。

                           (藤井良広)

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