11月の世界の平均気温は「14.02℃」で、観測史上3番目に暖かい11月。今年年間でも、同様に3番目の暖かい月になる公算高し。産業革命前比の気温上昇は「1.54℃」。EU気候機関が公表(RIEF)
2025-12-17 00:43:51
(上図は、11月の世界の平均気温の1991~2020年比での上下変動の推移データ)
EUのコペルニクス気候変動サービス(C3C)によると、今年11月の世界全体の平均気温は14.02℃で、観測史上3番目に暖かい11月だったことが確認された。その結果、今年は12月の1カ月を残してはいるが、年間でも2024年に次いで観測史上2番目になるか、3番目か、あるいは現在2番目に暖かい年である2023年と同率となる可能性もあるという。11月の平均気温の産業革命前比でみると、すでに「1.5℃」を超えて「1.54℃」だった。ECMWF気候戦略責任者のサマンサ・バージェス(Samantha Burgess)氏は「これらの節目は抽象的なものではない。気候変動の加速を反映しており、将来の気温上昇を緩和する唯一の方法は温室効果ガス(GHG)排出量を急速に削減することだ」と強調している。
c3cによると、2023年から今年までの3カ年の平均気温は観測史上初めて、産業革命前比で「1.5℃」を超える見込みとしている。11月の世界の平均気温は、1991~2020年の同月平均よりも0.65℃高かった。
また、観測史上最も暖かかった2023年11月よりは0.20℃低く、2番目に暖かかった2024年11月より0.08℃低い。世界的に見て、2025年11月は推定される1850~1900年の産業革命前平均より1.54℃高く、1.5℃を超えた28番目の月だった。2025年4月以来2か月連続(10月に次いで)の記録となった。1月から11月までの全球平均気温は、1991~2020年平均を0.60℃上回り、産業革命前基準値より1.48℃高い水準だった。これは2023年と同じ水準である。

11月の気温の状況を地域的にみると、欧州では平均気温が5.74℃となり、1991~2020年平均を1.38℃上回った。これは欧州観測史上5番目に暖かい11月だった。特に顕著な高温は、東欧、ロシア、バルカン半島、トルコで観測された。一方、低温は主にスウェーデン北部・フィンランド北部、アイスランド、イタリア北部・ドイツ南部の一部で確認された。
欧州以外では、南北の極域で最も平均を上回る気温が観測された。これにはカナダ北東部とカナダ諸島、米国の大部分、北極海、東南極が含まれる。シベリア北部、ロシア北東部の大部分を覆う広大な地域では、顕著な負の気温異常が発生した。
気候の変動では、11月の欧州では、英国、アイルランド、ポルトガル、スペイン、ロシア北西部、バルカン半島の大部分で平年より湿潤な状態が続き、特にアルバニアとギリシャでは非常に激しい降雨を記録した。暴風雨クラウディアは11月12日から15日にかけてスペイン北西部とポルトガルに豪雨と洪水をもたらし、同月14~15日にはアイルランド、ウェールズ、イングランドに拡大、その後、アイルランド、ウェールズ、イングランドにも広がって、同地域でも局地的な洪水を引き起こした。
一方、アイスランド、スペイン南部、イタリア北部、ドイツ中部、スウェーデンでは平年より乾燥した状態が観測された。南東欧州全域で干ばつ警報が継続的に出された。特にロシア南西部、ウクライナ、トルコで顕著だった。
欧州以外では、米国南西部、カナダ北部の一部、ロシア北西部、台湾、アフリカ南部、マダガスカル、オーストラリア沿岸地域で平均を上回る降水量があった。南アジアおよび東南アジアでは、熱帯低気圧「センヤール」と豪雨の相乗効果により極端な降雨と洪水が発生した。対照的に、11月は西アジア・中央アジアの大部分、メキシコ北部、米国南東部、ブラジル南部で平均を下回る乾燥状態が観測された。
2025年の北半球の秋(9月~11月)は、2023年と2024年の秋に次いで史上3番目に暖かかった。世界的に気温は概ね平年を上回り、特にカナダ北部、北極海、南極大陸では顕著な正の異常値が観測された。
北極海氷の面積拡大は10月下旬以降、平均を下回るペースで推移し、11月の月間面積は過去2番目に低い水準(1991~2020年平均比12%減)だった。11月30日の日別面積は974万km²と、同日付としては史上最小を記録した。
北極圏を地域別に見ると、ユーラシア西部海域(特にスバールバル諸島、フランツ・ヨゼフ地、カラ海周辺)およびカナダ北東部海域で海氷濃度が平均を大幅に下回った。この低濃度は平均を大幅に上回る地表気温と一致しており、温暖異常と海氷減少の関連性を示唆している。
南極では、2025年11月の月間海氷面積が1991~2020年平均を7%下回り、11月としては観測史上4番目に低い面積となった。南極周辺の海氷濃度が最も平均を下回ったのは、ベリングスハウゼン海とインド洋域であった。
(藤井良広)
https://climate.copernicus.eu/2025-track-be-joint-second-warmest-year
https://climate.copernicus.eu/surface-air-temperature-november-2025

































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