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「陸前高田一本松」の接ぎ木苗木9本、生育順調(河北新報)

2012-09-14 13:52:04

接ぎ木して順調に育つ「一本松」の苗木。ネームプレートがあるのが「ツギキ4兄弟」=岩手県滝沢村
 岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」の子孫を残そうと、独立行政法人森林総合研究所材木育種センター東北育種場(岩手県滝沢村)が一本松から昨年接ぎ木をした苗木9本が、順調に成長している。

接ぎ木して順調に育つ「一本松」の苗木。ネームプレートがあるのが「ツギキ4兄弟」=岩手県滝沢村


 東北育種場の苗畑で育つ苗木の高さは当初の約15センチから約30センチになった。同市の「高田松原」に戻す時期は、周辺の整備状況などを考慮するため、数年後となる可能性があるが、技術的には来春にも移植できるという。


 9本のうち最も早い昨年6月に接ぎ木が成功した4本には「アンパンマン」で知られる漫画家やなせたかし氏が「ツギキ4兄弟」と命名。長男から順にノビル、タエル、イノチ、ツナグと名付けられ、職員らが大切に見守っている。
 田之畑忠年育種場長は「貴重な一本松のクローン増殖であり、地元に無事に帰れるよう育てたい。皆さんに愛されながら、心のよりどころとなればうれしい」と話す。
 東北育種場は昨年4月、市の依頼で、採取した枝を台木100本に接ぎ木し、9本が育った。このほか、震災前の高田松原で採れた種から苗木600本を育成。うち300本はことし5月、「高田松原を守る会」に引き継ぎ、陸前高田市内で育てられている。

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/09/20120914t35022.htm