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ワタミ過労自殺 外部検討委報告書 人件費削減の行き過ぎ指摘 労基法違反勧告41件(東京)

2014-01-23 13:12:05

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watamijp1210居酒屋チェーンを経営する「ワタミフードサービス」元社員の森美菜さん=当時(26)=が入社二カ月後の二〇〇八年、長時間労働などが原因で自殺した問題などを受け、親会社の「ワタミ」(東京)とグループ会社の法令順守の状況を調べていた外部の検討委員会(委員長・上田広一元東京高検検事長)が報告書をまとめ、ワタミに提出した。


 「店舗の予算達成のため人件費を削り、社員が休憩や休暇を満足に取得できない悪循環」を指摘。「店舗配属の社員を増やすべきだ」などと求めている。




 報告書は十七日付。調査はワタミが依頼し、正社員千三百四十六人への郵送アンケートや、森さんが勤めていた「和民京急久里浜駅前店」(神奈川県横須賀市)の視察を約半年にわたり実施した。同店で法令違反は確認されなかった。




 六百六十四人が回答したアンケートでは、大部分の社員が労使で合意した残業時間を超えて働いた経験があると答えた。「現在は長時間労働は改善された」との回答があった一方で、「売り上げが少ない日は人件費削減のため、勤務時間を短く記録する」と答えた社員もいた。




 また、〇八年四月~一三年二月にワタミが休憩時間や深夜の割増賃金を定めた労働基準法に違反しているとして、労働基準監督官から計四十一件の是正勧告や指導を受けたことを挙げた。その上で「全国の店舗で異なる時期に違反を指摘されており、是正が各店舗に委ねられていると推察される」として、本社が率先して是正するよう求めた。




 報告書は「六千人を超えるグループ社員が在籍する上場企業であり、社会的責任が強く求められる」と結んでいる。ワタミは「提言を真摯(しんし)に受け止め、三月をめどに対応を公表する」としている。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014012302000126.html