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都知事選 機械の目でスピード開票 練馬区は問題の「ムサシ」の分類機投入 過去に不正投票操作で選挙無効の実例も(東京)
2014-02-06 23:48:03
選挙の開票スピードアップは自治体に共通の課題だ。9日投開票の知事選では、投票用紙に書かれた候補者名を機械が認識して振り分ける「読み取り分類機」を23区と市部のほぼ全ての自治体が活用する。一方、開票が都内最速クラスの府中市は機械に頼らず、手作業で臨む。
自治体が開票の迅速化に取り組むのは、多数の職員が深夜未明まで従事することによる人件費増大を抑えるほか、翌朝から通常業務に就く職員の負担を減らす狙いもあるからだ。
開票で最も手間がかかるのは、投票箱から出した何十万枚もの投票用紙を候補者名ごとに仕分ける作業だ。以前はどの自治体も職員の手作業だったが、この十年ほどで「読み取り分類機」が普及した。
「今やこれ以外の選択肢は考えられない」と話すのは練馬区選挙管理委員会の安江松児事務局長。区内の有権者は約五十八万人。都知事選では最新型の分類機十五台を投入する。
これまでの分類機は職員が手で一枚一枚、用紙の天地表裏をそろえて機械にかける必要があった。区が今回導入したのは表、裏の区別なく読み取りが可能で、漢字や平仮名、片仮名が交じっていても毎分六百六十票を識別できる。
練馬区の場合、手作業だった一九九九年の都知事選では開票に約七百人を動員、終了まで三時間四十三分を要した。二〇〇三年に初めて分類機を導入し、人手は約半分に。今回は二時間五十分での終了を見込む。
分類機は〇一年に選挙機材メーカー「ムサシ」(中央区)が発売、有権者が多い都内の自治体で加速度的に普及が進んだ。同社によると、全国的にも約半数の自治体で導入済みという。
ただ、精密機器にトラブルはつきもの。東久留米市では、昨年六月の都議選の際に分類機で票が詰まるトラブルが起き、一部は職員が手で仕分けることになった。
読み取り精度も向上したが、極端な崩し字など機械の目では読み取れないものも一部ある。
一方、折り目が自然に開く投票用紙を開発するなど開票の迅速化で全国的にも知られる府中市は、昔ながらの手作業を貫いている。今回も職員や学生アルバイト約三百人が候補者名を張った分類ケースに票を振り分ける。
府中市選管の堀江幸雄事務局長は「機械を使っても全体の5~10%は読めない票があり、結局人が分けることになる。職員は手作業に慣れているし、トラブルの心配がなく終わりの時刻が読めるのが良い」と話す。有権者は約二十万人。都知事選は一時間十分で終了する予定だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20140205/CK2014020502000104.html