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アベノミクス第3の矢(規制改革)を止めたのは、安倍首相自身ではないか(古賀ブログ)
2014-12-06 22:56:43
古賀: ということで、この衆議院の解散はちょっといろいろ問題があるなというところから始まったんですが、じゃあ、実際に選挙に行くときにだれに投票しようかとみなさんはこれから頭を悩ませるわけです。
そこで、ちょっと各党の公約をいくつか見てみたいなというふうに思います。
まずアベノミクスについて、安倍さんはアベノミクスを争点にしたいと。要するにアベノミクスを進めるのかやめるのか、これを決める選挙ですよと。こういうふうに言っていますね。
おもしろいのは民主党はわりとその土俵に乗っている感じがあるんですね。民主党は、いや、アベノミクスは駄目なんだという全否定から始まってアベノミクスをやめて分厚い中間層をつくりましょうみたいなことを言っています。
「流れを変える時。」なんて言って、パッとめくると、アベノミクスは期待外れみたいなのが、こういう実質賃金は15カ月連続マイナスですというようなあたりでアベノミクスと全面対決というような姿勢を出しています。
一方、維新はちょっと違って維新はアベノミクスは全部駄目とは言っていないんですね。何が駄目だと言っているかというと1番最初に出てくるんですね。「失われた『第三の失』を、 維新の手で。」と。
つまり第一の矢、第二の矢については否定していないんです。第三の矢というのは何かというと成長戦略ですね。その中身は規制改革。これは維新が非常に前から言っていることですね。大阪維新のときから言っていたし、結いの党もみんなの党のときから言っていたということで、第三の矢は実はアベノミクスってやっていないんだという捉え方で反対をしていると。
もちろん共産党とか、他のところはもちろん全面否定ということなんですけど、ここちょっと整理しておいたほうがいいんですね。つまり安倍さんがアベノミクスをやるんだということで第一の矢から第三の矢までひっくるめて、これをやめるんですか、進めるんですかという問い方をしているんです。
けれど、アベノミクスを進めてきたといっても実は第一の矢は日銀がお金をばらまきますよと。これと第二の矢、借金をして公共事業をばらまきますよと。要するにお金のばらまきと公共事業のばらまき、これだけは自民党はしっかりやったんですね。ある意味、約束どおり、やりましたと。
●規制改革を止めたのは、安倍首相ではないのか
古賀: ところが第三の矢の改革をしましょうというところについては、これは衆目の一致するところで、ほとんど成果がありませんねということなのでアベノミクスを問うといわれたときにその3つを分けて評価しないといけないわけですね。
2年間で岩盤規制、「私のドリルで穴をあけま~す」というふうに言っているんですけれども、それを止めるのかと言っているんだけど、いや、だれも止めていないですよ。勝手にあなたが自分でやめているだけですよということをまずはっきりしておかなくちゃいけないんですね。
これは実は安倍政権だけの問題じゃなくてもっと20年、30年前からの話なんですけれども、90年代にバブルが崩壊して、そのあとずっと日本が成長できなくなった。失われた20年という言葉に象徴されるんですけれども、その間、日本ではもう成長できないからしょうがない。
景気対策、景気対策、ばらまき、ばらまきでやってきたのでまず借金大国になっちゃった。そしてその間、ずっと少子高齢化というのは進んでいるのに「百年安心」とか寝ぼけたことを言ったまま放ったらかしにして、少子化、高齢化がここまで進んじゃってどうにもならない、大変だというところに追い込まれているわけですね。
何でそうなっちゃったかというと、実は改革ができないんですね。何で改革ができないことが悪いと言えるのかというと、日本は今だからこそ少子化と言っているんですけれども、まず、みんな、働き者ですよ。どこか他の国と違って国民が怠けているからこういうことになったわけじゃないんですね。
むしろ海外から見ると日本人は働き過ぎだというくらい一生懸命働く非常に優れた労働力がある。それから技術水準も追いつかれているとはいえ非常に高い。しかも政府はお金はないんですけど、企業部門は内部留保がものすごくたまっちゃってお金がいっぱいある。
つまり労働力の質が高くて技術のレベルが高くてお金があるといえば普通に考えれば成長できるんですね。だけどできない。それは少子化のせいだとか、少子高齢化で需要が縮小するからしょうがないんだという人もいるんです。
けれども、考えてみると日本というのは成長センター=アジアにいるんですね。成長センターで経済も成長するし、人口もどんどん増えるし、そこにいて、日本がちょっとぐらい縮小してもそれを補って余りあるくらいの可能性を秘めた市場の中にいるんですね。
そういう好条件があるにもかかわらず、日本だけは先進国の中で20年成長できない。それはなぜかというと1個の要素は別に悪くないのにそれを組み合わせて動かしていくというときの仕組みが悪いんです。その仕組みを変えるというのが改革なんですね。
ところがこれは自民党ができなかったわけですよ。何でできなかったのかというと、やらなくちゃいけないということはいろいろテーマはずっと20年前から同じです、今まで。ほとんど変わっていないんですが、それは結局、やろうと思うと農家とか農協との戦いになったり、あるいは医師会との医療分野、伸びますよと言われているけど医師会との戦いになる。
あるいは再生可能エネルギーは伸びるんだというのは電力会社との戦いになって、それぞれの戦う相手というのは全部自民党の支持団体なので、結局、それとの戦いができないから改革ができない。
それでジリ貧の道をずっとたどってきて愛想を尽かされて、もう自民党じゃさすがに駄目だよ。こんなに癒着して、しかも官僚とも一緒になって官僚主導だし、それで民主党の政権になって民主党に3年間やらせた。そしたら民主党も駄目だった。それで安倍さんになったという流れを見た上で、安倍さんはアベノミクス、やるぞといって、全然、違う自民党に変わったかのようなふりをしていたんですけど、それがどうなのかというのが問われているんですね。
そこで、ちょっと各党の公約をいくつか見てみたいなというふうに思います。
まずアベノミクスについて、安倍さんはアベノミクスを争点にしたいと。要するにアベノミクスを進めるのかやめるのか、これを決める選挙ですよと。こういうふうに言っていますね。
おもしろいのは民主党はわりとその土俵に乗っている感じがあるんですね。民主党は、いや、アベノミクスは駄目なんだという全否定から始まってアベノミクスをやめて分厚い中間層をつくりましょうみたいなことを言っています。
「流れを変える時。」なんて言って、パッとめくると、アベノミクスは期待外れみたいなのが、こういう実質賃金は15カ月連続マイナスですというようなあたりでアベノミクスと全面対決というような姿勢を出しています。
一方、維新はちょっと違って維新はアベノミクスは全部駄目とは言っていないんですね。何が駄目だと言っているかというと1番最初に出てくるんですね。「失われた『第三の失』を、 維新の手で。」と。
つまり第一の矢、第二の矢については否定していないんです。第三の矢というのは何かというと成長戦略ですね。その中身は規制改革。これは維新が非常に前から言っていることですね。大阪維新のときから言っていたし、結いの党もみんなの党のときから言っていたということで、第三の矢は実はアベノミクスってやっていないんだという捉え方で反対をしていると。
もちろん共産党とか、他のところはもちろん全面否定ということなんですけど、ここちょっと整理しておいたほうがいいんですね。つまり安倍さんがアベノミクスをやるんだということで第一の矢から第三の矢までひっくるめて、これをやめるんですか、進めるんですかという問い方をしているんです。
けれど、アベノミクスを進めてきたといっても実は第一の矢は日銀がお金をばらまきますよと。これと第二の矢、借金をして公共事業をばらまきますよと。要するにお金のばらまきと公共事業のばらまき、これだけは自民党はしっかりやったんですね。ある意味、約束どおり、やりましたと。
●規制改革を止めたのは、安倍首相ではないのか
古賀: ところが第三の矢の改革をしましょうというところについては、これは衆目の一致するところで、ほとんど成果がありませんねということなのでアベノミクスを問うといわれたときにその3つを分けて評価しないといけないわけですね。
2年間で岩盤規制、「私のドリルで穴をあけま~す」というふうに言っているんですけれども、それを止めるのかと言っているんだけど、いや、だれも止めていないですよ。勝手にあなたが自分でやめているだけですよということをまずはっきりしておかなくちゃいけないんですね。
これは実は安倍政権だけの問題じゃなくてもっと20年、30年前からの話なんですけれども、90年代にバブルが崩壊して、そのあとずっと日本が成長できなくなった。失われた20年という言葉に象徴されるんですけれども、その間、日本ではもう成長できないからしょうがない。
景気対策、景気対策、ばらまき、ばらまきでやってきたのでまず借金大国になっちゃった。そしてその間、ずっと少子高齢化というのは進んでいるのに「百年安心」とか寝ぼけたことを言ったまま放ったらかしにして、少子化、高齢化がここまで進んじゃってどうにもならない、大変だというところに追い込まれているわけですね。
何でそうなっちゃったかというと、実は改革ができないんですね。何で改革ができないことが悪いと言えるのかというと、日本は今だからこそ少子化と言っているんですけれども、まず、みんな、働き者ですよ。どこか他の国と違って国民が怠けているからこういうことになったわけじゃないんですね。
むしろ海外から見ると日本人は働き過ぎだというくらい一生懸命働く非常に優れた労働力がある。それから技術水準も追いつかれているとはいえ非常に高い。しかも政府はお金はないんですけど、企業部門は内部留保がものすごくたまっちゃってお金がいっぱいある。
つまり労働力の質が高くて技術のレベルが高くてお金があるといえば普通に考えれば成長できるんですね。だけどできない。それは少子化のせいだとか、少子高齢化で需要が縮小するからしょうがないんだという人もいるんです。
けれども、考えてみると日本というのは成長センター=アジアにいるんですね。成長センターで経済も成長するし、人口もどんどん増えるし、そこにいて、日本がちょっとぐらい縮小してもそれを補って余りあるくらいの可能性を秘めた市場の中にいるんですね。
そういう好条件があるにもかかわらず、日本だけは先進国の中で20年成長できない。それはなぜかというと1個の要素は別に悪くないのにそれを組み合わせて動かしていくというときの仕組みが悪いんです。その仕組みを変えるというのが改革なんですね。
ところがこれは自民党ができなかったわけですよ。何でできなかったのかというと、やらなくちゃいけないということはいろいろテーマはずっと20年前から同じです、今まで。ほとんど変わっていないんですが、それは結局、やろうと思うと農家とか農協との戦いになったり、あるいは医師会との医療分野、伸びますよと言われているけど医師会との戦いになる。
あるいは再生可能エネルギーは伸びるんだというのは電力会社との戦いになって、それぞれの戦う相手というのは全部自民党の支持団体なので、結局、それとの戦いができないから改革ができない。
それでジリ貧の道をずっとたどってきて愛想を尽かされて、もう自民党じゃさすがに駄目だよ。こんなに癒着して、しかも官僚とも一緒になって官僚主導だし、それで民主党の政権になって民主党に3年間やらせた。そしたら民主党も駄目だった。それで安倍さんになったという流れを見た上で、安倍さんはアベノミクス、やるぞといって、全然、違う自民党に変わったかのようなふりをしていたんですけど、それがどうなのかというのが問われているんですね。