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東電、福島原発複数炉の電源喪失想定せず。甘い事故対策露呈。政府事故調が8人分追加公開(各紙)

2015-01-31 23:52:59

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fukushima9eb0ace7cb87e6c28f0928b2a588efde-300x226各紙の報道によると、政府は東京電力福島第1原発事故で、政府の事故調査・検証委員会が関係者を聴取した「聴取結果書(調書)」のうち、新たに8人分を公開した。その中で、第1原発の防災管理を担当した東電社員は、事故前の訓練では複数の原子炉が電源喪失する事態を想定していなかったと証言した。

 

証言したのは福島第1の阿部孝則・防災安全グループマネジャー(当時)。調書によると、事故が起きる直前の2011年2月下旬に福島県と東電が合同で実施した訓練では、「非常用ディーゼル発電機が故障するが、一定時間で復旧する前提。真っ暗な中での作業を想定した訓練は行っていない」などと述べている。

実際に3月になって起きた原発事故では、東電のマニュアルにはない消防車による注水の必要に迫られたが、東電社員は訓練していないため消防車を操作できなかった。そのため、子会社の南明興産などの社員の協力でなんとか注水にこぎつけた。この点について阿部氏は調書の中で、「東電社員は消防車を操作できなくてもいいとなっていた。東電社員は消防車の操作は自分たちの仕事ではないと、思っていた」などと語っている。

南明興産の社員は、事故後に東電社員らが情報の伝達ミスで第一原発から第二原発に大挙移動した際も、第一原発で作業に取り組み、マニュアルにない注水などの作業にも、取り組んだことが故吉田昌郎氏の調書で明らかになっている。

 

福島県原子力安全対策課の片寄久巳主幹(当時)は事故後、避難の範囲について原子力安全・保安院の課長から「保安院としては(第1原発から半径)10キロで十分だと思っているが、官邸が20キロと言って聞かない」と言われたと証言した。 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)のデータが公表された際には「飯舘村は早く避難すべきではないかと思った。(当初、避難区域を変えなかった)原子力安全委員会の見解は、住んでいても大丈夫という誤ったメッセージになったのでは」などと振り返った。

 

また福島県いわき市の職員(匿名)の調書では国が原発から30km圏内からの屋内退避を呼びかけた後から、物資tの輸送が全面的に止まったため、首都圏で物資調達をしようとした際に、いわきナンバーだからとの理由で断られたことが述べられている。

調書の公開は昨年9月以降4回目で、公開された調書は計210人分となった。他に公開されたのは住民避難に当たった福島県職員ら。事故当時の東電経営陣の調書は今回も公開されなかった。