HOME |新潟・福島豪雨被害で提訴 国、電源開発などに7億円 只見町民166人と3事業所(福島民報)ズサンなダム管理責任を追及 |

新潟・福島豪雨被害で提訴 国、電源開発などに7億円 只見町民166人と3事業所(福島民報)ズサンなダム管理責任を追及

2015-02-23 13:43:25

奥只見ダム
奥只見ダム
奥只見ダム


平成23年7月の新潟・福島豪雨で被害を受けた只見町民166人と町内の3事業所は22日までに国と県、町、町内にダムを設置する電源開発を相手取り、約7億1635万円の損害賠償を求める訴えを地裁会津若松支部に起こした。第1回口頭弁論は3月26日、同地裁で開かれる。豪雨災害をめぐっては、金山町の住民らも同様の訴訟を起こしており、今後の司法判断が注目される。
原告の代表者が22日、訴訟に参加した町民の一部に対し、提訴内容を説明した。
訴えによると、「新潟・福島豪雨災害で、国、県、町、電源開発がそれぞれの責務を十分に果たさなかったため、ダムの放流があった只見川の氾濫の被害が大きくなった」などと主張。「住民が適切な対応ができなかった」とし、浸水被害などを受けた建物や家財道具、車両などの賠償に加え、避難の遅れや災害後の避難生活を余儀なくされたことによる精神的苦痛への慰謝料を求めている。
国と県は、ダムの上流部にたまった砂の除去に向けた電源開発への指導や、雨が多い時期の立ち入り検査などの監督を怠ったとしている。県には、地元漁協から只見川にたまった砂を取り除くよう要望があったが、行わなかった過失もあるとしている。
町は、只見川にある只見、田子倉、奥只見の各ダムで豪雨時に放流があった際、電源開発から連絡を受けたにもかかわらず、住民への避難の周知などが不十分だったと指摘。電源開発は、豪雨前に雨量の増加を予測し、只見、田子倉、奥只見の各ダムの水位を事前に下げる対応、放流を知らせる適切な内容の放送、ダム周辺の砂の十分な除去などを怠ったとしている。

■金山町民は係争中

豪雨災害をめぐっては、金山町の住民ら34人が昨年7月に電源開発と東北電力を相手取り、約3億3800万円の損害賠償と滝、本名、上田、宮下の4つのダムへの湛水(たんすい)の一時差し止めを求める訴えを地裁会津若松支部に起こしている。現在、係争中。

※新潟・福島豪雨 平成23年7月27日から30日にかけて新潟県と本県会津地方を襲った記録的大雨。24時間降水量の最大値は只見町の527.0ミリ。県内は南会津、柳津、三島の3町の計150世帯511人に避難指示、喜多方、只見、南会津、西会津、会津坂下、三島、金山の7市町の計2571世帯6486人に避難勧告が出された。只見川の氾濫により流域の家屋、道路、鉄道などに甚大な被害が出た。

 

http://www.minpo.jp/news/detail/2015022321136