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何ともお粗末な安倍首相と官邸スタッフ 「日教組ヤジ」は"思い込み"による虚報だった。説明答弁で恥の上塗り。目を覆いたくなる失態・・(FGW)

2015-02-24 02:01:25

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abeelection無題 安倍首相が19日の衆院予算委員会で民主党の玉木雄一郎議員の質問に対して、「日教組」ヤジを連発したが、その根拠が「思い込み」に基づく虚偽だった。国会の場で、首相がヤジを飛ばすこと自体、他国ではみられない異常な光景だが、ヤジの内容が虚偽という憲政史上例をみないお粗末さなのだ。

19日の首相のヤジは、西川公也農林相が製糖工業会の関連団体から献金を受けたことを追及した玉木議員に対して、安倍首相がひな壇で座ったまま「日教組」「日教組」と連発したものだった。執拗な「首相のヤジ」に対して、自民党出身の大島予算委員長も見かねて注意を出したほど。

翌20日の委員会で、別の民主党議員から、「首相のヤジ」についてたしなめられると、「日教組は(国から)補助金をもらっている。(その日教組と交流のある)教育会館から献金をもらっている議員が民主党にいる」と、ヤジの根拠を説明した。

ところが、実際には日教組に国からの補助金は出ておらず、教育会館から民主党議員への献金もないことがわかり、さすがの首相も23日の委員会で「正確性を欠く発言があったことは遺憾で、訂正する」と述べた。

何ともお粗末な首相の言動だが、「ただ、お粗末」とあきれて、一件落着とはいかない。一国の首相が、ライバル政党に関する虚偽の情報を国会の場で執拗に発言したことの重大さを、与野党は深刻に受け止めるべきである。国会のやり取りというのはその程度のもの、という風に受け取った国民が増えた可能性もある。少なくとも、政治軽視、政治不信の風潮を助長したことは間違いないだろう。

本来、内外での首相発言は、官邸スタッフが答弁を用意し、それに沿って首相は必要な役割を演じるパターンをとる。ところが今回の事態で明らかになったことの一つは「やじ」までは官邸スタッフも用意していいなかった、ということである。もう一つ明らかになったことは、おそらくは官邸以外の首相の情報源が、情報の真偽不明なことをご注進、首相がそれを鵜呑みにしたことで、首相の情報人脈がお粗末さであることだけでなく、ゴシップを無批判で受け入れ、口にしてしまう首相の軽薄さも改めて示した形でもある。

さらに残念なことは、このお粗末なやりとりが、我が国との間で政治的な緊張関係が続く隣国の中国や韓国などにも、そのまま伝わっていることだ。「日本の政治家はゴシップネタを得意げに口にし、後でウソがばれても『訂正』の一言で済ますようだ」。軽い政治家、軽い国会、という認識につながって不思議ではない。事実、そうだとしか言いようがない。

しかし、日本では、こんな首相を抱えている自民党が選挙で大勝するのである。ということは、日本の政治のみならず、選挙民・国民のレベルも「結構、低い」と見抜かれた可能性もある。「首相を笑う前に、自嘲せざるを得ない政治・社会構造」。首相のヤジ騒動は、ある意味で、日本の現在を真正面から捕えた一コマだったえるかもしれない。残念ではあるが・・・