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フランス 新設商業ビルの屋上緑化・太陽光パネル設置を義務化。「グリーン屋根」の時代へ(FGW)

2015-03-22 23:22:41

greenroof無題
greenroof無題各紙の報道によると、フランスはこのほど、都市部の商業地域で新たに建設されるビルの屋上部分に、太陽光パネルを設置するか、屋上緑化するかのどちらかを義務付ける法律を採択した。「グリーン屋根」法である。

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ビルの屋上を緑化すると、外気遮断効果が高まり、冬は暖かく、夏は涼しくなることから、エネルギー効率が高まることが知られている。都市部の商業地等でこうした「グリーン屋根」のビルを増やすことで、都市全体のヒートアイランド現象の緩和にもつながる。同時に、温室効果ガス削減効果も期待される。

 

すでに、ドイツやオーストラリア、さらにカナダのトロント市などでは、こうした義務的な「グリーン屋根」制度を導入している。フランスの新法は、当初の法案では、新設ビルだけでなく、既築を含むすべてのビルの屋上の緑化・太陽光パネル化を求めるものだった。その後の与党内の法案調整で、対象ビルや地域を限定するなどの修正が入れられ、環境派からはグリーン度が低下したとの批判も出ている。

 

それでも、屋上緑化の進展への期待は大きい。都市部での屋上緑化が進むと、雨水の急激な増加が緩和され、屋上で野鳥が生息するなどの効果も期待される。新制度では、屋上の半分を緑化し、残りを太陽光パネルの設置にすることも可能という。

 

先行するドイツなどのグリーン屋根では、商業用ビルだけでなく、住宅用建物や、工場などの屋根・屋上のグリーン化が義務付けられている。日本でも、ここ数年、東京都内などで軒並みビルが更新されているが、少なくとも新設ビルのグリーンビルディング化の一環として、屋上緑化を建築許可の条件とする議論を進めるべきだろう。