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求人数が2倍以上に増加、2015年のエネルギー業界(スマート・ジャパン)

2015-03-23 17:03:10

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国全体で中途採用の動きが活発になる中にあって、エネルギー分野の求人数の伸びが著しい。

ジェイ エイ シー リクルートメント(以下、JAC)が1月と2月に企業から依頼を受けた求人数は、前年と比べて3倍近いペースで増えている(図1)。新たに採用を実施する企業の数も2月には前年と比べて2倍以上のペースで増加している。
jac1_1_sj.jpg 図1 エネルギー分野の新規求人数(左)と新規採用企業数(右)。出典:JAC



最近の傾向として、求人を行う企業の広がりが挙げられる。2014年に増えた太陽光関連企業の採用は落ち着きを見せる一方、潤沢な資金力で日本のマーケットを狙う外資系企業や、省エネ関連ビジネスを中心にスタートアップ企業による採用の増加が目立つ。エネルギー業界全体で人手不足の課題を抱えており、当面は活発な動きが続いていくと考えられる。

特に人材の採用に積極的なのが外資系企業である。国際的に見ると、日本の再生エネルギーの買取価格は依然として高い水準にある。資本力に加えて高収益体制を構築している外資系企業は日本のマーケットでも主要なプレーヤーになる可能性が大いにある。

そこで各社とも必要な人材であれば高額な待遇を用意して積極的に獲得に乗り出している(図2)。他の業界と異なり、外資系企業であっても英語力を採用の必須条件としていないことも特徴である。


jac1_2_sj.jpg 図2 エネルギー業界の転職前後の年収比較。出典:JAC



もう一方では、省エネのコンサルティングなどを手がけるスタートアップ企業が続々と増えていて、採用活動を熱心に進めている。この分野も注目度が高く、実際に受注件数が伸びているものの、会社自体の規模が小さいためにビジネスチャンスを十分に生かしきれていない状況が見られる。エネルギー業界での経験や知識、技術的なバックグランドを持つ人材に対するニーズは強い。

最近では採用ポジションにも変化が見られる。再生可能エネルギー関連の企業では、土地の調達などの上流フェーズから建設フェーズを含めたプロセス全体へ広がり始めている。特にEPC(Engineering, Procurement & Construction、設計・調達・建設)の業務を遂行できるプロジェクトマネージャーが求められるようになり、技術的なバックグラウンドを持ったプラントエンジニアなどが歓迎されている。

2015年に入って求人が増えているのがO&M(Operation & Maintenance、運転・保守)の分野である。第2種電気主任技術者などの資格が必要になることから、各社とも人材を集めることが大きな課題になっている。そのほかにも、電力の需給調整や風力発電の事業開発などを担える人材の募集が今後は増えていくと予想される(図3)。


jac1_3_sj.jpg 図3 エネルギー業界の求人例。出典:JAC



エネルギー業界が大きな変化の時代を迎えたことで、企業が募集する人材の必要条件やポジションは急速に多様化が進んでいる。

 

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1503/19/news023.html