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タイで保護されていた絶滅危惧種のジュゴンの赤ちゃん。もう一頭も死ぬ。消化器に海草が詰まって体調悪化。先週には、プラスチックゴミの影響で、もう一頭も死亡(RIEF)

2019-08-24 00:00:12

jyugon2キャプチャ

 

 タイで保護された絶滅危惧種のジュゴンの赤ちゃんが相次いで死亡した。先に保護された赤ちゃんは、プラスチックゴミが消化器に詰まり、体調不良を起こして死亡。残っていたもう1頭の赤ちゃんも22日に、消化器に海草が詰まって体調が悪化。肺の感染症も起こして死亡した。

 

 (写真は、22日に死亡した「ジャミル」。パイプで授乳させている)

 

 22日に死んだのは、雄の「ジャミル」(生後6か月)。タイ天然資源・環境省によると、ジャミルは22日夕、消火器に海草が詰まって体調が悪化、肺の感染症も起こした。獣医師らが海草を取り出したが心拍が弱まり、午後10時前に死んだ。

 

 ジャミルは7月初め、南部トラン県の海で傷だらけの状態で保護された。母親とはぐれた後、他のジュゴンに襲われたとみられていた。ジャミルの飼育には、ジュゴン飼育実績のある日本の鳥羽水族館(三重県鳥羽市)の職員も参加して、水中での授乳や遊泳の指導にあたっていた。

 

  17日には、雌の「マリアム」(生後8か月)が10日に野生の雄ジュゴンに攻撃されたことをきっかけに、体調が急激に悪化。死亡している。マリアムは、消化器官にプラスチックのゴミが詰まり、血圧が上昇、ミルクを飲まなくなっていた。15日に飼育員がプールに移して治療を受けていたが、17日未明に呼吸が止まり、死亡が確認された。https://rief-jp.org/ct12/92874

 

 タイには推定250頭のジュゴンが生息している。動物保護団体によると、今年に入って、少なくとも16頭の死体が見つかっている。例年に比べて2倍のペースだ。死亡原因には、人間が放置した漁具に絡まってケガをしたり、プラスチック等のゴミを飲み込んで窒息したりするケースが目立つという。

 

 ジュゴンの赤ちゃんの人工飼育は難しいだけに、ジャミルやマリアムの成長については、タイの人々の人気を集めていた。