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アマゾン森林火災増大問題で、ブラジルを含む南米7カ国大統領ら、緊急会議を開催。違法伐採の監視強化等の森林保護協定に調印。実行性担保がカギ(RIEF)

2019-09-08 16:06:26

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 ブラジルのアマゾンの森林火災問題で、熱帯雨林を抱える南米の7カ国の首脳は6日、森林保護のための緊急会議を開催、違法伐採の監視強化などで協力する協定に調印した。ブラジルのボルサナロ大統領はテレビ出席となった。

 (写真は、コロンビアのレティシアで開いた緊急7カ国会議)

 緊急会議はコロンビアの都市レティシアで開いた。会議にはアマゾン地域に接しているコロンビア、ボリビア、ペルー、エクアドル、ギアナ、スリナムの各国の大統領らが出席した。ただ、アマゾンの約60%を占めるブラジルのボルサナロ大統領は自らの手術の準備を理由に、テレビ電話で出席し、外相が代理で出た。

 会議では森林再生のために7カ国が協力することで一致した。また違法伐採等を防ぐため、災害対応ネットワークと衛星監視システムの構築でも合意した。

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 会議を主催したイバン・ドュケ大統領は「この会議は、地球の『宝』であるアマゾン地域を共有する各国の大統領の協調メカニズムとして機能するだろう」と意義を強調した。

 ただ、ペルーのマルティン・ビスカラ大統領は「(各国の)善意に頼るだけでは、もはや対策としては十分ではない」と、具体的な総合対策の設定の必要性を指摘した。

 

 7カ国は農業者や周辺住民に対して森林保護の重要性を教育・周知する必要性とともに、森林と共に生活しているアマゾンの先住民族コミュニティの役割を強める必要性でも合意した。

 

 

森林火災鎮圧のカギを握るブラジルのボルサナロ大統領
森林火災鎮圧のカギを握るブラジルのボルサナロ大統領

 

 今年1月から8月まで、アマゾン地域で発生した森林火災は8万件以上にのぼり、昨年の倍以上になっている。消失面積は約4万3000k㎡で、すでに昨年1年分の消失量と同じ規模になっている。

 

 特に被害が大きいブラジルでは、年初に就任したボルソナロ大統領がブラジルの開発促進を容認する姿勢を示したことから、農地や牧場の開拓、金などの鉱物の採掘等を目的とした違法伐採や森林への放火等が広がっている、と指摘されている。

 

 森林火災の元凶として、ブラジルの牛肉産業や農業産業への国際的な非難が高まっている。消費国となる先進国の企業からサプライチェーンの森林伐採対策が問われ、投資家もブラジル企業との取引が多い企業に対して、森林火災関連のエンゲージメント活動を展開している。またEUは南米諸国で構成する関税同盟メルコスールとの貿易交渉の凍結論も起きている。

https://www.bbc.com/news/world-latin-america-49609702