HOME13 原発 |フィンランド、ロシアのロスアトム製の原発導入計画への建設許可付与を一時停止。事業主にロスアトムも出資。EUの経済制裁の動向を見据えて(RIEF) |

フィンランド、ロシアのロスアトム製の原発導入計画への建設許可付与を一時停止。事業主にロスアトムも出資。EUの経済制裁の動向を見据えて(RIEF)

2022-02-28 16:42:23

Hanhikiviスクリーンショット 2022-02-28 154042

  ロシアのウクライナ侵攻の影響で、フィンランド政府はロシアのロスアトム建設中の原子力発電所計画を一時停止すると発表した。ロシアに対するEUの広範囲な経済制裁が発動される可能性を踏まえ、戦略的に機微な位置にある原発の建設を棚上げする。経済担当相のMika Lintila氏は「今回の紛争の結果として、原発計画も少なくともかなりの期間遅れることになる」と述べている。

 対象となる原発は、フィンランドでは3カ所目の原発サイトでピュハヨキ(Pyhäjoen)原発。バルト海北部に面した同地で、ロスアトムの最新型原発のAES-2006 VVER(発電量、1200 MWe)を1基建設する予定で計画が進んでいる。現在は、本計画の前の準備段階で港湾整備等が進んでいる。事業主体は同国の原子力企業のフェンノボイマ(Fennovoima Oy)。

港湾建設等の準備工事が進むハュピ
港湾建設等の準備工事が進むピュハヨキ原発建設予定地域の沿岸で

 計画当初は日本の東芝、フランスのアレバのどちらかが建設事業者とみなされていた。だが、フェンノボイマ株の約3分の1(34%)を保有していたドイツのE.ONがフィンランド事業からの撤退を決め、保有株を2014年にロスアトムに譲渡。その結果、ロスアトムが受注したという経緯がある。

 今回のロシアによるウクライナ侵攻を受け、経済担当相のMika Lintila氏は24日の議会で「現状では原発に対して建設許可を与えられない」と発言した。同社も「現在の紛争がピュハヨキの計画に影響を与える可能性を認めざるを得ない。もしインパクトが生じたら、できる限りその影響を抑えたい」との声明を出した。

 フェンノボイマによると、同社は2015年6月に建設許可申請書をフィンランドの雇用経済省に提出していた。フィンランド放射線・原子力安全機関への最終建設許可申請を、2月末に提出する段階にまでこぎつけていたという。

  隣国のスウェーデンの国営電力大手のバッテンフォール(Vattenfall)も、「ロシアのウクライナ侵犯によって欧州内で深刻な安全保障上の問題への関心が深まっている。したがってわれわれはわが国の原発へのロシアからの核燃料等を含む装備品の搬送は、次の指示があるまで、受け付けない」と発表した。

https://www.hanhikivi1.fi/en/article-page/fennovoimas-statement-situation-ukraine