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安倍首相の原発輸出セールス、核安全保障サミットでも展開 福島事故も「日本の原発は安全」と根拠なく強調(東京)

2014-03-27 00:31:57

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abesalesPK2014032602100042_size0【ハーグ=後藤孝好】安倍晋三首相は二十四、二十五両日にオランダのハーグで開かれた核安全保障サミットで、原発セールスを展開した。カザフスタンには技術協力を持ちかけ、フランスとは輸出での連携を確認した。首相は就任後、経済の成長戦略の一環として原発を熱心に売り込んできたが、東京電力福島第一原発事故の原因究明や処理が終わっておらず、日本の原発は安全だとの主張には疑問が残る。


 安倍首相はカザフスタンのナザルバエフ大統領との会談で「原発事故の経験を踏まえた安全性の高い技術の提供など、支援できる可能性がある」と表明。大統領は高い関心を示した。




 使用済み核燃料から取り出した核物質プルトニウムを再利用する「核燃料サイクル」で協力しているフランスのオランド大統領との会談では「原子力やハイテク分野での産業協力を進展させたい」と提案。大統領からは「日仏の原子炉の第三国への輸出を進展させたい」と賛同を得た。




 日仏では、三菱重工業とアレバ(フランス)の企業連合体がトルコで新規の原発建設を受注。今後も両国が技術開発で協力し、アジアや中東諸国への原発輸出拡大を目指す。




 安倍首相は就任以来、外遊の際に「日本は世界一安全な原子力発電の技術を提供できる」と強調。輸出に向けたトップセールスを続けてきた。昨年一月に初外遊したベトナムでは、ベトナム国内での原発建設に協力する方針を表明。五月にはアラブ首長国連邦(UAE)とトルコと原発輸出の前提となる原子力協定に署名した。




 原発一基の事業費は四千億から五千億円。安倍政権は、原発輸出を経済の成長戦略の柱に据える。政府は、二〇三〇年までに世界で最大三百七十基の原発が新設されると見込んでいる。




 だが、原発事故が収束しない中、日本国内の世論は原発輸出に強く反対している。




 安倍首相は「原発事故の経験と教訓を共有することで、世界の原発の安全を図ることは日本の責務だ」と訴えるが、被災者らの理解は得られていない。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014032602000132.html