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三菱重工、福島第一原発向け 溶接型汚染水貯蔵タンクを出荷開始、漏水リスクは低減へ(FGW)
2014-04-16 16:10:18
三菱重工業は、東京電力福島第一原子力発電所の放射能汚染水貯蔵タンクの出荷を始めた。これまで原発敷地に設置されてきたタンクは簡易型のフランジ構造(配管継手)方式で,漏水が相次いだほか、寿命も5年と短かった。三菱のタンクは、溶接構造タンクで、密封性と耐久性に優れている。5月までに10基を出荷する予定。
タンクは神戸造船所二見工場(兵庫県明石市)で生産する。炭素鋼製の縦置き溶接構造タンクで、直径8.1m、高さ15.6m、容量700m3。厚さが16mm、容量700㎥。今後さらに大型の容量1000㎡のタンクも製作中で、6月以降に順次出荷する予定という。
東電は、汚染水貯蔵タンクを現行のフランジ型や横置きタンクから、縦置き溶接構造のタンクへの置き換えを進めており、今回の三菱重工のタンクの出荷で、タンクの置き換えのスピードアップが期待される。タンクは工場から福島の原発敷地まで海上輸送して届ける。据え付けも三菱重工が担当するという。
汚染水貯蔵タンクは、これまで漏水事故のたびに、周辺に不安感を撒き散らしてきた。今回の三菱重工のタンクは、高い密封性・強度に加えて、作業員が工場で製作する“工場完成型”とすることで、短い工期での納期も可能にしたという。
ただ、タンクの貯蔵性能が向上しても、汚染水の増加に歯止めがかからず、原子炉自体の廃炉作業はこれからになることから、福島事故の収束にはまだ相当の時間と手間をかけないと見通しが得られない状況は続く。
https://www.mhi.co.jp/news/story/1404105519.html