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 菅元首相 原発事故で講演 「私も安全神話信じていた」「国が滅びる懸念も」(下野新聞)

2014-04-21 11:41:14

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kanJ201404200271_R菅直人元首相は20日、宇都宮市内の講演会で、2011年3月の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故について「原因のほとんどは3・11以前にある。現地オフサイトセンターが機能しなかったように、地震と原発事故が同時に起きると考えず、その準備をしていなかった」と振り返った。

批判も受けた地震発生翌日の現地視察を「あまりにも現地の状況が伝わらず『これでは判断できない』と考えた」と釈明する一方「(3・11前は)私自身、どこかで『日本の科学技術力は高い』などと安全神話を信じていた」と反省も口にした。

 

脱原発や持続可能エネルギーを訴える市民団体「原発いらない栃木の会」(島田晴夫、大木一俊代表)が主催。原発事故後に菅氏が栃木県内で講演するのは初めてで、宇都宮市峰町の宇都宮大の会場は定員いっぱいの270人で満席となった。

 

菅氏は地震発生から約50分後、福島第1原発の全電源喪失、冷却機能停止を報告され「背筋がゾッとするのを感じた」と回想。計器が機能せず、メルトダウンや圧力容器破損などの状況把握ができない中で決断を迫られるという緊迫した対応状況を振り返った。

 

また原発事故から間もなく想定した、原発から半径250キロ圏内、約5千万人が避難する「最悪の場合のシミュレーション」にも言及した。「結果的にそこまでいかなかったが、紙一重だった」と明かし「国の3分の1、場合によっては国が滅びるというのは、戦争以外では原発事故だけ」と指摘。「地震、津波はなくせないが、原発事故をなくすのは簡単。原発をなくせばいい」と強調した。

 

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20140421/1571172