HOME |始まった東電福島第一原発の凍土壁工事 早くも障害発生 170ヶ所で地下埋設物とバッティング 東京五輪までのつなぎ策に税金320億円(各紙) |

始まった東電福島第一原発の凍土壁工事 早くも障害発生 170ヶ所で地下埋設物とバッティング 東京五輪までのつなぎ策に税金320億円(各紙)

2014-06-10 15:57:00

2日の凍土遮水壁設置工事の様子
2日の凍土遮水壁設置工事の様子
2日の凍土遮水壁設置工事の様子


各紙の報道によると、東京電力福島第1原発事故の汚染水対策として、2日に着工した「凍土遮水壁」の工事が、地下に埋設されたケーブルや配管などと、凍結のための配管とが約170ヶ所で交錯し、工事の障害になるうえ、凍結効果にも疑問を引き起こしていることがわかった。

2日から始まった凍土壁工事は、原発敷地を取り囲むようにして、長さ26.4mの凍結管を1m間隔で合計約1500本埋設するもの。ところが原発敷地の地下には、ケーブルや配管、さらにいくつかのトンネルなどの埋設物が縦横に走っている。東電が原子力規制委員会に報告した限りでも、凍結管と埋設物とが交差する地点は山側で76カ所、海側で約90カ所にのぼるという。

 

東電と、工事を担当する鹿島建設は、これらの地下の埋設物を避けたり、トンネルなどは凍結管を間に貫通させる等の工法を委員会に提示したが、検討会に参加した有識者からは「把握されていない埋設物があった場合どうするか」「避ける工法できちんと土は凍るのか」などの指摘が出たという。

 

特に埋設物を避ける工法には高度な技術が必要とされるが、鹿島建設は「作業員の訓練を進め、慎重に施工する。ベテランがいるのでミスをすることはない」と強調した。「ミスはない」という、福島原発事故で崩壊した”絶対安全神話”にいまだに陥っていることに、このゼネコンの担当者は気付いていないようだ。

 

そもそも凍土壁は完成しても、耐久性から7年くらいしか持たないとされている。凍土壁はトンネルなどの工事に一時的に使われる技術で、これだけの大規模な工事は前例がない。つまり、2020年の東京オリンピック開催までの”つなぎ”の便法とみられている。さらに、2011年6月にも、当時の民主党政権がやろうとしたが、技術的困難さから立ち消えになった経緯がある。

技術的不安を抱え、しかも高級策ではなく一時的使用でしかない凍土壁の工事に、国は国民の税金を320億円も大判振る舞いする計画だ。ゼネコンを潤し、住民の不安を広げ、さらに税金の無駄遣いに終わる可能性も高いにもかかわらず、政府と東電は、凍土壁工事強行に固執し続けている。