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福島第一事故「吉田調書開示を」 被災者ら、検証に必要と国を相手取って訴訟提起(各紙)

2014-08-21 15:19:11

故吉田昌郎東電福島第一原発所長
故吉田昌郎東電福島第一原発所長
故吉田昌郎東電福島第一原発所長


各紙の報道によると、東京電力福島第一原発事故時の第一原発元所長 故吉田優昌郎氏に対する政府事故調査・検証委員会の調書の開示を求めて、被災者や各地の原発訴訟の原告ら10人が20日、国に調書開示を求める訴訟を東京地裁に起こした。


 訴状によると、政府の委員会は、吉田氏に対して事故時の様子について、2011年7~11月に13回、計28時間にわたって行ったとされる。調書には、福島第一原発の所長として対応した事故後の対応や、事故前の本店部長時代に責任者として関わった津波対策等についての証言が記されているという。




同調書については朝日新聞が独自に入手して報道しているが、政府は内容を開示していないため、国民は直接知ることができない。このため原告は当初、情報公開法に基づき、調書を保管する内閣官房に開示を求めた。しかし政府は、「報告書に要点を引用する場合を除き、公にしない前提で聴取した」などとして、今月までに不開示と回答した。




原告らはこうした政府の姿勢を不満として、訴訟で開示を求めることにした。提訴後、記者会見した原告の木村結(ゆい)さんは「調書を国民に開示し、初期対応から検証し直さないと本当の原発事故処理はできない」と訴えた。内閣官房は「訴状が送達されれば、適切に対応したい」とコメントを出した。

 

政府は事故調査・検証委員会が作成した関係者772人の調書のうち、吉田氏ら故人を除く分は、本人の同意が得られれば開示すると繰り返しているが、事故から3年半以上が経過している現時点において開示されていない。