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八木関西電力社長が核燃料中間貯蔵施設候補地で、勝手に「3条件」提示。各地の自治体困惑(京都新聞)

2014-10-22 17:45:29

舞鶴湾に面した石炭火力の舞鶴発電所。関西電力は海沿いの発電所を使用済み核燃料の中間貯蔵候補地の「一例」とした(舞鶴市千歳)
舞鶴湾に面した石炭火力の舞鶴発電所。関西電力は海沿いの発電所を使用済み核燃料の中間貯蔵候補地の「一例」とした(舞鶴市千歳)
舞鶴湾に面した石炭火力の舞鶴発電所。関西電力は海沿いの発電所を使用済み核燃料の中間貯蔵候補地の「一例」とした(舞鶴市千歳)


関西電力の八木誠社長が9月の記者会見で、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の候補地は「福井県外」「港がある」「発電所内」と発言したことで、近畿各地の自治体に戸惑いが広がっている。

条件に当てはまる京都府舞鶴市の多々見良三市長は拒否を明言、宮津市も「受けがたい」とするが、原発の運転には不可欠な施設だけに、波紋は収まりそうもない。

 

「打診があれば、当然、断る」。21日の定例記者会見で舞鶴市の多々見市長は語気を強めた。港が整備され、関電の火力発電所も稼働中だが、高浜、大飯両原発から30キロ圏内に市街地があり、「すでに応分の負担をしている。断る根拠は十分ある」と述べた。

関電によると、使用済み燃料は原発施設内で保管しているが、9月末で容量の7割に達し、原発全11基がフル稼働すれば6~7年で満杯に。再処理工場(青森県六ケ所村)の稼働も遅れており、関電は中間貯蔵施設建設を検討。福井県は県外での設置を求めており、「条件」を八木社長が示した。

 

海沿いにある関電の火力、太陽光発電所は近畿4府県に13カ所ある。火力発電所が長期休止中の宮津市は「火力発電の再稼働を求めており、中間貯蔵施設にする話は受けがたい」(河嶋学市企画総務室長)。4府県の担当課はすべて「関電から打診された事実はない」と答えた。

 

かつて和歌山県御坊市が中間貯蔵施設誘致に動いたが、県担当者は「今は知事が受け入れを否定している。福井県の原発敷地内での建設が現実的」とする。

 

関電は「(条件は)あらゆる可能性の一つとして示したもので、地域の同意も必要。打診の有無や建設に向けたスケジュールは答えられない」とコメントした。

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20141021000169