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Jパワー 青森・大間原発の審査申請。建設中かつ差し止め訴訟中の原発として初(毎日)

2014-12-16 21:28:52

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Ohmagenpatsu0012Jパワー(電源開発)は16日、青森県大間町に建設中の大間原発の稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請した。申請は14原発21基目だが、建設中の原発では初めて。

大間原発は、全炉心にウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使う世界初のフルMOX商業炉。2008年に着工し、東京電力福島第1原発事故で建設を中断していたが、12年10月に工事を再開した。16日現在の進捗(しんちょく)率は37.6%で、Jパワーは20年12月完成を目指す。出力は138万3000キロワットと国内最大級。運転開始には、安全審査に合格することが必要だ。

 

Jパワーは、新規制基準に適合させるため、耐震設計で想定する最大の揺れ「基準地震動」を450ガル(ガルは加速度の単位)から650ガル、最大の津波の高さ「基準津波」も4.4メートルから6.3メートルに引き上げた。Jパワーは審査にかかる期間を1年程度と見込み、21年度の運転開始を目指す。一方、田中俊一規制委員長は「フルMOXは世界でも実例がないから慎重に評価する」と話しており、審査は長期化する可能性がある。

 

対岸の北海道函館市は、原発建設地から30キロ圏内に市の一部が入ることなどから今年4月、国とJパワーを相手取り、大間原発の建設差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こした。

 

申請書を提出したJパワーの永島順次常務執行役員は「核燃料サイクルやプルトニウム利用の推進は非常に重要」と申請の意義を強調し、函館市との訴訟については「コメントを控えたい」と述べた。【酒造唯】

【ことば】MOX燃料

通常の原発から出る使用済み核燃料を再処理し、ウランやプルトニウムを取り出して再び加工した核燃料。核燃料サイクルに欠かせないものとされる。高速増殖炉で燃やす方法と、通常の原発で燃やす方法(プルサーマル)があるが、高速増殖原型炉「もんじゅ」の開発にめどがたたないため、後者が有力になっている。一方、使用済みMOX燃料の処分方法は決まっていない。