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米核兵器廃棄物施設、地下タンク14基損傷、1基からは毎年2400㍑が漏洩。タンク貯蔵の限界浮き上がる。東電福島のタンクも限界近い(FGW)

2015-03-08 22:15:48

There are 177 underground radioactive waste tanks at Hanford.
There are 177 underground radioactive waste tanks at Hanford.
There are 177 underground radioactive waste tanks at Hanford.


内外各紙の報道によると、米会計検査院(GAO)は米西部ワシントン州のハンフォードにある核施設で、核兵器などの高レベル放射性廃液を保管する地下タンク177基のうち少なくとも14基に壁の損傷があり、うち1基からは廃液の流出がみられることを指摘したことがわかった。



ハンフォード核廃棄物貯蔵施設の漏えい問題は、タンクによる汚染水貯蔵が経年劣化とタンクの構造上の課題という二重の意味で、課題を抱えており、一時的な保管でしかないことを物語る。事故から4年を迎える東電福島原発のタンクによる汚染水貯蔵方式にも共通する喫緊の課題といえる。

 

同施設は1945年に長崎に投下された原爆のプルトニウムを製造するなど冷戦期に米の核戦力を支えたが、その後、放射性物質のずさんな管理が発覚、「米国で最も汚染された核施設」とされ、GAOが定期的に監視している。

 

漏洩を指摘されたタンクは、一重構造のsigle-shell tanks(SST)と呼ばれるもので、東電の福島第一原発の汚染水保管タンクと同様。同タンクは漏えいのリスクが高いことから、GAOのこれまでの指摘で、エネルギー省(DOE)は二重構造のDouble-shell tanks(DST)への移し替え作業を進めているが、2012年から14年の間に28基が移管されただけ。

 

漏洩のリスクが確認されたSSTのうち、1基からは2010年以来、毎年、640ガロン(約2422㍑)が地下に流出していることが確認されている。また安全なタンクとみなされていたDSTについても構造上の欠陥がみつかっているという。このためDOEは第三者機関によるタンクの調査を2016年までに実施する方針。この点は、原発事故を起こした東電に汚染水貯蔵タンクの管理を任せっぱなしの日本とは対応ぶりが異なる。

 

東電福島第一原発の放射能汚染水を貯蔵するタンクも初期のものは4~5年の耐用年数とされ、すでに交換ギリギリの段階に来ている。新たに溶接方式のタンクに移し替えを進めているが、今回米国で明らかになったようにDSTでも課題があり、タンク貯蔵の限界が露呈した形だ。

 https://www.documentcloud.org/documents/1381778-gao-121614.html