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旧ソ連・チェルノブイリ原発の「石棺」密閉作業、来年完成予定が資金不足で2年遅延。放射性物質拡散の危険増す(共同)。東電福島原発の処理見通しにも示唆

2015-04-28 14:54:42

ウクライナ北部チェルノブイリ原発で、事故を起こした4号機の石棺を覆うために建設中の巨大なシェルター=2013年4月(共同)
ウクライナ北部チェルノブイリ原発で、事故を起こした4号機の石棺を覆うために建設中の巨大なシェルター=2013年4月(共同)
ウクライナ北部チェルノブイリ原発で、事故を起こした4号機の石棺を覆うために建設中の巨大なシェルター=2013年4月(共同)


【モスクワ共同】ウクライナ北部のチェルノブイリ原発で旧ソ連時代の1986年に大量の放射性物質拡散を伴う爆発事故が起きた4号機を覆う「石棺」を巨大なシェルターで密閉する作業の完了が、予定されていた来年10月から2017年11月へと大幅に遅れる見通しになった。

 

資金の不足が主な理由。建設資金を管理する欧州復興開発銀行(EBRD)のビンス・ノバク原子力安全局長が24日、共同通信に明らかにした。

 

「石棺」はコンクリート製で老朽化が進んでおり、30年とされる耐用期限は16年に切れるため、部分的な崩落などにより放射性物質が拡散する危険度が増す。EBRDは日本など主要国(G7)から追加資金の調達を急いでいる。

 

ノバク氏によると、現在、6億1500万ユーロ(約840億円)の資金不足が生じているという。ノバク氏はこのうち当面の資金として1億ユーロの調達が急務と指摘、「時間は限られている」との認識を示した。

 

新シェルターは高さ110メートル、幅257メートル、重さ2万9千トンのかまぼこ形の鉄製構造物で、耐用年数は100年。4号機の近くで建設し、レールの上を約300メートル移動させて「石棺」を覆う。

 
完成後は内部の特殊な装置で「石棺」の解体に着手する。外郭はほぼ完成したが、内部の工事など「補助的システムの導入」(同氏)を残しているという。

 

新シェルター建設を含む密閉作業の総費用は当初6億ユーロと試算されていたが、その後15億ユーロ以上に膨らんだ。(松島芳彦)

 

http://www.47news.jp/47topics/e/258698.php