HOME |米国でも原発はコスト高。米最大の原発会社エクセロン社CEO 「州議会の法的支援なくば、9月にも操業停止視野に」と発言(FGW) |

米国でも原発はコスト高。米最大の原発会社エクセロン社CEO 「州議会の法的支援なくば、9月にも操業停止視野に」と発言(FGW)

2015-06-01 21:12:09

QUA_0008

米国内でもっとも原発を多く運営している大手電力会社のエクセロン社の CEO Christopher Crane氏は、イリノイ州が原発への財政的支援をする法案が成立しない場合、同州内に保有する原発の創業を停止する可能性を示唆した。

 

Crane氏が指摘したのは、同州のミシシッピー川沿いに建設されたクアド・シティーズ原発。沸騰水型で1972年操業した2基。発電量は1824MW。安全対策等で操業コストが増加していることから、同社は州議会に働きかけて、発電に際してCO2を排出しない原発を「低炭素ポートフォリオ基準」の対象にして年間3億ドルの補助を与える法案の成立を求めている。

exelon無題

しかし、同法案に対しては反対意見も強く、現時点で成立の見通しは立っていない。法案の成立が遅れると、送電会社との契約のための入札に間に合わなくなる恐れもある。このためCrane氏は「法案が遅れると9月には操業継続の可否を決めねばならない」と語った。

同社はイリノイ州にクアド・シティ-ズ原発以外に、バイロン、クリントンなどの原発を抱える。操業コスト上昇に直面しているのは、いずれも同じで、バイロン原発も同様の操業停止の可能性があるという。

Quad4f6d2b0dc2308_preview-620

 

<エクセロンの抱える米国内の原発>

発電所名
ブレイドウッド原子力発電所 (Braidwood) イリノイ州
バイロン原子力発電所 (Byro) イリノイ州
クリントン原子力発電所 (Clinton) イリノイ州
ドレスデン発電所 (Dresden) イリノイ州
フォートカルフーン原子力発電所 (Fort Calhoun) ネブラスカ州
ラサール原子力発電所 (LaSalle) イリノイ州
リムリック原子力発電所 (Limerick) ペンシルバニア州
オイスタークリーク原子力発電所 (Oyster Creek) ニュージャージー州
ピーチ・ボトム原子力発電所 (Peach Bottom) ペンシルベニア州
クアド・シティーズ原子力発電所 (Quad Cities) イリノイ州
スリーマイル島原子力発電所 (Three Mile Island) ペンシルベニア州


Crane氏は、長期的な問題として、一基だけの原発はコスト軽減が容易ではなくいことから、「絶滅危惧種のような存在になるだろう」と指摘し、「このままでは原発は減少していく」と見通した。

同社は当面、複数基が立地している原発の操業寿命を60年から80年に延長する一方で、新世代原発の開発に力を入れていく方針という。エクセロンは1979年に事故を起こしたスリーマイル島原発も所有している。

 

http://www.exeloncorp.com/Pages/home.aspx