HOME |4月の全国放射線セシウム月間降下量 福島県が前月比約8分の1に急減。事故後最低値に。計器修正ミスか(?)東京は全国第6位(FGW) |

4月の全国放射線セシウム月間降下量 福島県が前月比約8分の1に急減。事故後最低値に。計器修正ミスか(?)東京は全国第6位(FGW)

2015-06-02 22:12:39

monitoringpost420121012090825daes

原子力規制委員会がとりまとめている全国都道府県放射性セシウムの4月の月間降下量は、福島県が引き続き第一位だったが、降下量自体は115メガベクレル(1k㎡当たり)と、前月(3月)の約8分の1へと、大幅低下した。

 

月間ペースの降下量としては、4年前の3.11事故時以来の低水準となる。一気に福島原発周辺の大気状況が改善したのか。そうであればいいが、思い当たるのが、4月上旬に福島県南相馬市のモニタリングポスト等で、最高1時間当たり9.834マイクロシーベルトと、通常値(0.133マイクロシーベルト)を大幅に上回る値を出し、新たに入れ替えた測定機がプログラムミスで異常値を出したとされた。

monitoringpost3st3

 

福島県では高濃度を測定した77台の機器のプログラム修正を行ったとされる。この時の”誤測定”は、新しい装置がすべて高い値を出し、古い装置はそうではなかったことから、「実は新しい装置が正確な汚染状況を映しているのでは」との疑念も呼んだ。いずれにしても、その際に、測定機器の修正で月間降下物の測定プログラムも修正された可能性がある。

 

 福島の空気が正常化されて、セシウム値が低下したことを期待したい。しかし、測定値への疑問が浮き上がるのは、福島以外の周辺県では、前月よりも軒並み、4月の降下量が増えている点だ。絶対値は福島より小さいものの、茨城県は8.8メガベクレルで、前月比31%増、栃木県2.62メガベクレル(71.2%増)、宮城県1.67メガベクレル(32.5%増)、山形県1.64メガベクレル(23%増)。

fukushima201504キャプチャ

 

東京都は1.46メガベクレルで、ランキングでは6位、前月比では福島同様、前月比33%減と改善している。各県データとも、次の5月のデータを注目したい。

原子力規制委員会は、こうした統計データをただ公表するだけでなく、セシウム降下物の多寡によって健康影響も左右されるわけなので、数値変化の原因分析等も丁寧にやるべきだろう。

 

http://radioactivity.nsr.go.jp/en/contents/10000/9836/24/195_20150601.pdf