HOME |福井地裁、関西電力高浜原発の再稼働問題で、4月の差し止め仮処分判決を取り消し(各紙) |

福井地裁、関西電力高浜原発の再稼働問題で、4月の差し止め仮処分判決を取り消し(各紙)

2015-12-24 16:23:26

fukuitakahamaキャプチャ

  各紙の報道によると、関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を福井地裁が4月に差し止めた仮処分の保全異議審で、同地裁(林潤裁判長)は24日、関電側の異議を認め、仮処分決定取り消しの決定をした。

 

 4月の差し止め仮処分は、司法が原発の運転を禁じた初の判断となったが、今回の取り消しで、判断は覆った。この結果、高浜3、4号機の再稼働が可能となり、関電は25日にも核燃料を原子炉に装填する作業を開始する見通し。

 

 一方、原告の住民側は名古屋高裁金沢支部に抗告を申し立てる方針という。

 

 同原発の再稼動差し止めの仮処分は昨年12月、福井、京都など4府県の住民9人が申し立て、福井地裁の樋口英明裁判長(当時)が今年4月の仮処分決定で、原子力規制委員会が定めた新規制基準について「適合しても安全性は確保されておらず、合理性を欠く」などと判断し、仮処分を決定していた。

 

 これに対し、関電が異議を申し立てていた。異議審の担当裁判官に関する規定はなく、今回の審理は、差し止めを命じた樋口裁判長の後任の林裁判長が担当していた。今年5月以降、関電側と住民側の双方が意見陳述する審尋が4回、非公開で行われた。

 

 両基は今年2月、原子力規制委員会の安全審査に合格し、現在、規制委によって使用前検査が行われている。再稼働に伴う地元同意手続きでは、高浜町議会、町長、福井県議会に続き、西川一誠知事がすでに再稼動に同意を表明している。

 

 一方、福井地裁は24日、関電大飯原発3、4号機(同県おおい町)の運転を差し止める仮処分を求めていた住民側の申し立ても却下した。大飯原発については、昨年5月に高浜原発と同様、樋口裁判長が運転差止めの判決を出し、関電側が控訴している。