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環境NGOのWWFジャパン会長に、UNEPFI特別顧問の末吉竹二郎氏が就任。非国家アクターのNGOを自ら率いる(RIEF)

2018-10-29 17:21:13

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  環境NGOのWWFジャパンの会長(代表理事)に、末吉竹二郎さんが就任した。末吉さんは、国連環境計画(UNEP)金融イニシアティブ(FI)特別顧問のほか、環境省の一般社団法人グリーンファイナンス推進機構代表理事などを務め、最近では、脱炭素化を目指す企業や自治体、NGOなどの連合体「気候変動イニシアティブ(JCI)」を立ち上げるなどの活躍を続けている。

 

 「実は、8年ほど、WWFの評議員をしてきました。これまで、評議員として、いろいろとWWFの活動に注文をつけてきましたが、『それならお前が自分でやれ』ということかもしれません」。末吉さんは笑う。

 

 これまでの会長の徳川恒孝氏(公益財団法人徳川記念財団理事長)は、名誉会長となり、末吉さんは企業であれば、CEOに相当する会長(代表理事)として活動することになる。ちなみに、組織の正式名称は「公益財団法人世界自然保護基金ジャパン」で、名誉総裁は秋篠宮殿下というから、由緒正しい。

 

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 WWFジャパンは、スタッフ総数70人以上を抱え、日本の環境NGOの中でも、一大勢力を誇る。自然生態系の保護を中心とする活動と、温暖化問題に取り組む活動を2大柱に据えている。理事や評議員、顧問等の中には、黒柳徹子さん、さかなクン、加藤登紀子さん、岩合光昭さんといった自然派タレント・文化人のほか、豊田英一郎氏、小林喜光氏、中西宏明氏、三村明夫氏などの主要経済人も名を連ねる。

 

 末吉さんは温暖化対策で、非国家アクターの自治体や企業、NGO等を結集するJCIを立ち上げたところで、自らも有力なNGOを率いることになる。「COPなどの目標設定などの交渉は政府間で行うが、それをどう実行するかは、企業や自治体、NGOなどの、現場に直結しているところが『実行部隊』としてやっていくことになる」と、NGO活動の重要性を強調する。

 

 その一方で、政府の政策・対策についても、「各省がバラバラで対応するのではなく、総合的に取り組む時代。総合力が問われている」と指摘。安倍政権が進める未来投資戦略会議や、パリ協定長期成長戦略懇談会など、テーマごとに委員会を立ち上げて政策を協議する政策運営については、抜本的な見直しが必要という。

 

 「温暖化対応は、経済の足を引っ張るものではなく、モノを効率的に循環させて、新しい成長プロセスを作っていこうというポジティブなもの。日本では現状維持の立場が強いが、このままだと先々、そのツケが日本にどのような形で回ってくるのかを、よく考えて欲しい」と訴える。

 

 内外を飛び歩く末吉さん。今回、また一つ、重要な役回りを引き受けたことになるが、体力維持のために、月2回ほどのゴルフと、時間をみては「四股」を踏んでいるという。「家でテレビを見ながらやるんです。足腰を鍛えるのが一番」。末吉さんだけでなく、日本全体が、この国の将来の成長と安心・安全のために、しっかりと四股を踏んで備える正念場に差し掛かっているようだ。

https://www.wwf.or.jp/aboutwwf/japan/