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太陽生命保険、日本郵船向けに、環境負荷低減のメタノール燃料タンカー建造費、20億円を「グリーンローン」として融資。昨夏に続き第2弾(RIEF)

2019-01-02 21:09:26

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 T&D保険グループの太陽生命保険は、ESG投資の一環として、日本郵船が建造するメタノール燃料船の建造資金20億円をグリーンローンとして融資した。 国際的な「グリーンローン原則(GLP)」に適合したローンで、太陽生命は昨年夏にもGLP適合ローンを30億円融資しており、今回は第二弾となる。

 

 国際的なグリーンローン基準であるGLPは、融資の資金使途やリスク管理、情報開示などの一定の原則を定めている。グリーンボンドの国際基準であるグリーンボンド原則(GBP)のローン版とされる。太陽生命は、昨夏は仏銀クレディ・アグリコル東京支店に対して、30億円を融資し、アグリコルの手掛けるグリーンプロジェクト向けの融資に充当した。

 

 今回は、太陽生命単独で日本郵船が初めて手掛ける新造のメタノール燃料ケミカルタンカーの建造費に充当した。同船はメタノールを主燃料として走るので、硫黄酸化物(SOx)排出量を重油使用時と比べて約 99% 削減できる。また適合油(低硫黄燃料油)使用時と比べても発電機を含めた船舶全体で約 75%の SOx 排出量削 減が達成できるメリットがある。

 

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 日本郵船がグリーンローンで建造するタンカーは、積載貨重量約4万9000㌧、全長約183m、全幅32.2mで、韓国の現代尾浦造船で製造する。竣工予定は2019年中。融資は2018年12月27日に実行済みで、期間10年。

 

 同船は、日本郵船のシンガポール子会社であるNYK Bulkship (Asia) Pte. Ltd.がカナダのWaterfront Shipping Company Limited(WFS社)と結んだメタノール運搬の長期傭船契約に基づき、建造する。同船は重油などの燃料油だけでなく、メタノールも燃料として使用できる。WFSの親会社は世界最大のメタノール生産会社として知られている。

 

 国際海運の分野では、2020 年から国際海事機関(IMO)が定めた燃料油中の硫黄分濃度規制が始まる。新造船は同規制に十分に適合するとともに、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)などの排出量も従来の船舶よりも低い利点がある。同船の環境適合性については、日本格付研究所(JCR)がGLPへの適合性を評価する「JCRグリーンローン評価」の上位評価である「Green1」の評価を付与した。

 

 日本郵船は昨年3月に、中期経営計画“Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green”で、ESGを事業戦略に取り込み、企業と社会の持続的な発展と成長を目指す戦略を策定。同5月にはグリーンボンドを発行、環境負荷が低い液化天然ガス(LNG)の燃料転換などを推進している。今回、さらにファイナンス面から環境性能に優れた技術への投資を支えるために、太陽生命からグリーンローンを取り入れた。

 

 太陽生命は、2007年3月に日本の生保として初めて「責任投資原則(PRI)」に署名しており、ESG投融資を重視した資金運用活動を展開している。「これからも責任ある機関投資家として、持続可能な地球社会の形成に貢献できるよう取 組みを推進していく」とコメントしている。

 

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https://www.nyk.com/news/2018/1192258_1685.html