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第一生命と富国生命、食品ロス・廃棄対策で世界銀行が発行する「サステナブル・デベロップメント・ボンド(SDB)」をそれぞれ私募引き受け。合計165億5000万円(RIEF)

2019-08-02 16:30:07

SDBキャプチャ

 

 第一生命保険と富国生命保険は、それぞれ世界銀行が発行する食品ロス・廃棄問題に対応する事業推進のサステナブル・ディベロップメント・ボンド(SDB)を私募形式で引き受けた。第一生命はメキシコペソ建て(総額約 108 億円)、富国生命はスウェーデンクローナ建て(同57億5000万円)。いずれも途上国での同問題解決の世銀事業に投じられる。

 

 世界では現在、8億人以上の人々が飢餓に直面している一方で、先進国等では食料の過剰供給による食品ロス・廃棄物問題が深刻化している。途上国でも農業インフラが未整備なため生産した食品が流通過程で劣化、廃棄される事態が解消されていない。これらの結果、世界で生産される食品の3分の 1 が無駄になっているという。

 

 こうした無駄な生産・流通・廃棄プロセスで排出されるCO2などの温室効果ガス量は世界の総排出量の8%を占めるとされる。世銀はこうしたグローバルな課題に取り組むため、SDBの発行による調達資金で、途上国での農作物の貯蔵技術の向上や食品廃棄物のリサイクル事業等を支援する。

 

 第一生命のSDB引き受け分は、19億メキシコペソ。期間5年。富国生命は、5億スウェーデン・クローナ。期間20年。利率は1.040%。世界銀行(国際復興開発銀行)はMoody’s、S&Pのいずれも信用格付けでも、Aaa、AAAのトリプルAを取得している。

 

 世界銀行は今年1月、バークレイズ証券がアレンジする形で日本の岡三証券を通じて、海洋保護と、安全な水へのアクセス改善の事業資金としての個人投資家向けのSDBを約29億7000万㌦(メキシコペソ建て)を発行したほか、6月には、今回と同じ食品ロス・廃棄対策資金調達として、ロシアルーブル建てで個人向けのSDBを約89億1000万円分発行している。

 

https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2019_027.pdf

https://www.fukoku-life.co.jp/

https://www.barclays.co.jp/press-releases/7-june-2019/