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米フォード財団のソーシャルボンド(コロナボンド)、30年物3億㌦と50年物7億㌦の2本に。25日発行。コロナ感染の影響で活動ができないNPOや文化芸術団体等を追加支援(RIEF)

2020-06-25 07:45:13

Fordfoundation001キャプチャ

 

 米フォード財団は、先に、新型コロナウイルス感染の影響で、資金繰りに貧するNGOやNPO、人権団体、文化芸術活動、市民・環境活動等を支援するため10億㌦のソーシャルボンド(コロナボンド)発行を明らかにしていたが、25日に発行する。ボンドは期間30年の3億㌦と、50年の7億㌦に分かれ、合計で10億㌦になる。投資家の長期保有を前提としている。https://rief-jp.org/ct4/103474

 

 慈善団体によるソーシャルボンド発行は今回が初めてになる。両ボンドのクーポンレートは、30年物が2.145%、50年物が2.815%。主幹事はウェルスファーゴと、モルガンスタンレーが引き受ける。Sustainalyticsが国際資本市場協会(ICMA)のソーシャルボンド原則(SBP)への適合を付与した。

 

 フォード財団は通常は親会社のフォードからの寄贈資金を土台として、NPOや文化芸術的な社会的事業に対して無償資金を提供している。財団は137億㌦の基本財産を抱え、昨年は年間5億2000万㌦を内外の非営利活動事業等に寄付した。しかし、今年はコロナウイルスの影響で、支援を受けてきた各非営利団体は事業活動を展開できず、財団からの従来通りの無償資金だけでは組織を維持できないところも少なくないという。

 

 ただ、財団からの寄付額を大幅に増やすことは、財団自体の基本財産への影響を無視できない。そこでソーシャルボンドで投資家資金を集め、それを長期間かけて返済する一方で、基金自体の毎年の寄付額も増額して、NPO等への支援金を特別に増やすこととした。調達資金は、今後2年の間に各支援団体に追加配分する。

 

 日本の財団等も、こうした資金調達方法があることを踏まえて、弾力的な支援策を展開してもらいたい。(RIEF

 

https://www.fordfoundation.org/campaigns/our-response-to-the-coronavirus/