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スペイン大手電力イベルドローラ、日本の洋上風力発電市場に参入。豪マッコーリーグループの日本法人買収。マッコーリー傘下のGIGがイベルドローラと連携して展開へ(RIEF)

2020-09-19 12:48:45

iberudola002キャプチャ

 

 スペインの大手電力会社のイベルドローラ(Iberdrola)は豪マッコーリーグループと連携し、日本市場で3.3GWの風力発電事業に乗り出す。マッコーリーグループの日本での風力発電会社のアカシア・リニューアブルズをイベルドローラが買収して拠点とするほか、マッコーリーグループのグリーン・インベストメント・グループ(GIG)と共同事業会社を設立、日本での洋上風力発電事業を本格的に展開する。

 

 イベルドローラが買収するアカシアは現在、二つの洋上風力発電事業を日本で開発中であるほか、ポートフォリオには4件を含んでいる。これらの6件の洋上風力事業については、GIGもイベルドローラと同等持分を有して、今後の開発、商業化面等を担当する。またアカシアが別途展開する陸上風力発電事業は、GIGが運用していく。

 

Iberdrola001キャプチャ

 

 開発する洋上風力発電事業は、着床式、浮体式の両方を視野に入れている。イベルドローラは日本の洋上風力発電市場への参入について、「現在は70MWの規模でしかないが、日本政府の洋上風力発電市場の開放方針に伴い、今後2030年には10GW規模に、2050年には37GW規模に拡大すると予想されている」と指摘、日本市場での本格展開を目指す考えのようだ。

 

 イベルドローラは170年以上の歴史を持つスペインの電力会社。従来型の火力発電から再エネ電力開発への移行を急速に進めており、欧州だけでなく、米、ブラジル、メキシコ、オーストラリアなどグローバル展開している。特に洋上風力発電に力を入れ、英、独市場でも事業を展開しており、米、フランス等でも開発中。洋上風力だけで15GWのポートフォリオを保有する。

 

 ただ、日本を含めアジア市場への進出はこれまでなく、今回が初のアジア進出となる。そこでマッコーリーグループのGIGと連携することを選択したとみられる。GIGは英国が設立したグリーン投資銀行(GIB)が民営化され、マッコーリーが買収した機関。グリーン投資を英国だけでなく、世界中で展開するためのプラットフォームと位置付けている。これまでに世界16カ所(約5.5GW)の洋上風力発電事業を手掛け、このうちアジアでは約8GWを開発している。

 

 マッコーリー自体は、日本市場でこれまでに3.7GWの洋上風力や太陽光発電事業を開発している。

https://www.iberdrola.com/sala-comunicacion/noticias/detalle/iberdrola-apunta-japon-como-nueva-plataforma-crecimiento-renovables