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JR東日本、日立、トヨタ自動車の3社、水素燃料と蓄電池併用の「ハイブリッド次世代車両」開発へ。2022年3月にも実証実験開始。燃料電池自動車の高圧水素応用(RIEF)

2020-10-06 22:49:30

JR001キャプチャ

 

 JR東日本、日立製作所、トヨタ自動車の3社は6日、共同で水素燃料電池と蓄電池を併用するハイブリッド試験車両を開発すると発表した。ハイブリッド電車はすでにドイツで稼働しているが、JR東日本等は燃料電池自動車に使用している高圧水素を世界で初めて使う。22年3月から実証実験を行う。開発費用は約40億円。JR東は2050年度にグループ全体のCO2排出量実質ゼロの目標を掲げており、それに資する車両運行を目指す。

 

 22年3月ごろから数年間の実証実験を経て、実用化のメドを探る。JR東日本は鉄道車両の設計・製造、日立はJR東日本と共同で開発した鉄道用ハ イブリッド駆動システム、トヨタは燃料電池自動車の開発で培った燃料電池の技術を活用する。これらの技術を合わせて、自動車で実用化されている燃料電池を鉄道 へ応用し、自動車より大きな鉄道車両を駆動させる高出力な制御を目指した ハイブリッド車両(燃料電池)試験車両を実現するとしている。

 

愛称ハ「ヒバリ」
愛称は「ヒバリ」

 

 開発する試験車両は、2両編成で、最高速度100km/h、航続距離は最大140km。主回路装置は、電力変換装置(VVVFインバータ)、1C2M×2群、主電動機 95kW×4機、燃料電池装置は固体高分子形:60kW×4機、主回路用蓄電池はリチウムイオン電池:120kWh×2機、 水素貯蔵ユニットは水素貯蔵容量51ℓ×5本×4ユニットで、最高充填圧力70MPa (メガパスカル:大気圧の約700倍)の仕様とする。実験は、神奈川県のJR鶴見線の一部区間約10kmなどを実走する予定。

 

JR003キャプチャ

 

 水素タンクに充填された水素を燃料電池装置へ供給するとともに、空気中の酸素との化学反応で発電する。主回路用蓄電池は燃料電池装置からの電力とブレーキ時の回生電力を充電する。ハイブリッド駆動システムは燃料電池装置と主回路用蓄電池の両方からの電力を主電動機に供給、車輪を動かす制御をする。燃料電池装置の開発はトヨタが、ハイブリッド駆動システムの開発は日立が担当する。

 

 車両の愛称は「HYBARI」 (ひばり)。HYdrogen-HYBrid Advanced Rail vehicle for Innovationから名付けた。 「変革を起こす水素燃料電池と主回路用蓄電池ハイブリッドの先進鉄道車両」 をイメージしたとしている。

https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/33954803.html

 

https://www.jreast.co.jp/press/2020/20201006_4_ho.pdf