「グローバルな持続可能な競争力指標(GSCI)2020 年」公表。首位は前年同様スウェーデン。上位4位まで北欧勢。日本はアジア首位だが全体28位。自然資本と資源効率化は平均以下(RIEF)
2020-12-16 16:56:01
国ごとの持続可能な競争力を指標化した「The Global Sustainable Competitiveness Index (GSCI)」の2020年版が公表された。トップはスウェーデンで1位から4位までを北欧勢が独占、5位にスイスという順番。日本は180か国中28位でアジアでは首位だが、自然資本や資源効率性では「驚くほど低い」と評価された。
指標は、スイスと韓国を拠点とするサステナビリティのシンクタンク、SolAbilityが実施した。世界銀行や国際通貨基金(IMF)、国連などのグローバルデータ127から116の定量的指標を構成、自然資本、資源効率化、社会的資本、知的資本&イノベーション資本、ガバナンスのパフォーマンスの5分野を評価し、総合化した。
首位のスウェーデンは昨年と同様。北欧勢ではデンマークが前年の4位から2位に浮上。代わりにフィンランドが前年2位から4位に下がった。北欧の中ではノルウェーが9位(前年6位)と“低迷”している。上位20位はほとんど欧州勢で占められ、11位にニュージーランドが入っているだけ。非欧州国では、27位のコスタリカ、次いで日本となっている。
米国は日本より下の32位、韓国35位、中国39位。 ロシア51位、インド130位など。指標を構成する主要5分野のうち、知的資本&イノベーション資本の分野では、アジアの日本、中国、韓国、シンガポール等が高いスコアを得ている。しかしこれらの国々は、同時に資源効率性が低いことと、自然資本制約があることで、持続可能な繁栄を修正せざるを得ないかもしれない、としている。
日本は、前年の25位からランクを3つ下げたが、依然、アジアの中では最も高いランクを維持した。ただ、5分野別の分析では、自然資本と資源効率性が、グローバル平均を下回るスコアだったことで、レポートは「驚くべきこと」と指摘している。社会資本と知的資本ではグローバルリーダーの中に入っているとされた。
ただ、資源効率性は平均以下だが、その分野の指標のほぼ90%は改善の方向を向いているとして、「方向としては正しい方向にある。日本は再生可能エネルギーやサーキュラーエコノミーの分野での努力を増やすことで、資源効率性を時間をかけて改善できることを示している」と分析している。
The Global Sustainable Competitiveness Index Report (solability.com)
Sustainability intelligence – novel hindsight (solability.com)
The-Global-Sustainable-Competitiveness-Index-Report-2020 (1).pdf