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日立製作所、2030年度にオフィス・工場でのカーボンニュートラル達成へ。10年間で840億円投資。バリューチェーン全体では「社会イノベーション事業」を加味し2050年達成(RIEF)

2021-02-28 01:11:05

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 日立製作所は、オフィス、工場部門でのカーボンニュートラルを2030年度までに達成する目標を設定、設備の省エネ化などに今後10年間で840億円を投資する方針を打ち出した。バリューチェーン全体でのニュートラルは2050年までに達成する。同時に、環境面での成果を役員報酬に連動させる仕組みを今年4月からスタートさせる。

 

 (写真は、環境戦略等を発表するドーマ副社長㊥ら)

 

 同社は25日にオンラインで開いた環境戦略・研究開発戦略説明会で今回の方針を明らかにした。オフィス、工場に集中投資する840億円の内訳は、省エネ性能が高い生産設備の導入などのエネルギー効率の改善投資が600億円。残りは、太陽光や風力など再生可能エネルギー由来電力の調達に充当するとしている。10年間でCO2排出量を24%以上削減するほか、電力消費量も22%以上削減する計画だ。

 

 すでにこれまでも、カーボンニュートラルを先行して実現している部署としては、分析・検査装置などを手がける日立ハイテクグループの3事業所がある。さらに2021年度中には、日立中央研究所(東京都国分寺市)の研究棟「協創棟」がカーボンニュートラルを達成する見込みという。

 

 報酬連動制度については報酬委員会で議論を進めており、3月末までに決める予定だ。オフィス、工場等の各部門でのCO2削減促進のため、2019年度から導入している「日立インターナルカーボンプライシング制度」を強化する。

 

 日立全体の原材料や部品の調達に始まるバリューチェーン全体でのCO2排出量を2050年までに80%削減する。日立の全体でのCO2排出量の約9割は製品・サービス使用時の排出量。このため、顧客やパートナー企業等のステークホルダーとの社会イノベーション事業の拡大で、残りの20%を埋め合わせ、2050年にバリューチェーン全体でのカーボンニュートラルを実現するしている。

 

 この社会イノベーション事業が何を指すのか、どの程度のインパクトを持つのかは、明確には示されていない。同社では「カーボンクレジット購入の必要量の最小化」を行動に掲げており、極力、他社からのクレジットに頼らない姿勢を強調しているが、イノベーションの手応えが十分ではない場合はクレジット活用という可能性もある。

 

 環境戦略を担当する日立執行役副社長のアリステア・ドーマー氏は、「2030年度のカーボンニュートラル達成と、2050年度までのCO2排出量80%削減はともに十分に達成可能」としたうえで、ステークホルダーとの連携を通じて、バリューチェーン全体の目標を達成するとした。さらに「『グリーンテクノロジー×デジタル』は日立における成長の真のエンジン」とし、ITやエネルギーなどの重点5セクターを通じて環境に貢献するとした。