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スウェーデン・ボルボ、2030年に製造・販売の全車種を電気自動車(EV)化。販売もすべてオンライン化(RIEF)

2021-03-03 18:33:53

Volvo001キャプチャ

 

 スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ(Volvo Cars)は、2030年までに全製造自動車を電気自動車(EV)に切り替えると発表した。今後、内燃機関エンジン車のほか、ハイブリッド車(HV)についても、グローバルなボルボのラインナップから外していく。同社はこれまで、2025年までにグローバル販売に占めるEV比率を50%にまで引き上げるとしてきた。その後、5年以内に「フルEV化」を実現することになる。

 

 (写真は、ボルボのCEOのサミュエルソン氏)

 

また今後、EVについてはオンライン販売とする。この結果、全車EV化が完了する2030年以降のボルボの販売はすべてオンラインで行うことになる。

 

 CEOのホーカン・サミュエルソン(Håkan Samuelsson氏は「成功し続けるためには、利益を成長させねばならない。市場が縮小するビジネスに投資する代わりに、われわれは未来への投資を選択する。それがEVでありオンラインだ。ボルボは急成長するプラミアムEV市場でのリーダーになることに照準を合わせている」と強調した。

 

新たに発表したSUVタイプのV車、C
新たに発表したSUVタイプのV車、C40 Recharge

 

 ボルボが2030年のEV化を宣言したのは、欧州グリーンディール(EGD)を推進するEU内で、これまでの内燃機関エンジン車からEVへの切り替えを進める動きが高まっていることと、EV普及のカギとなる電力チャージングポイントの拡大が見通せるようになってきたことがあげられる。

 

 欧州委員会は、次期自動車排ガス規制の「ユーロ7」で内燃機関エンジン車の製造を2025年までに、すべて停止する案を自動車業界に提示しているという。同案が浮上したのは、これまでネックとなってきたEVの価格が、25年までにはガソリン車等とそん色のないレベルまで下がるとの経済的な見通しが得られてきたこと等も大きい。https://rief-jp.org/ct5/111438

 

 米、日本を含めたグローバルな次世代自動車市場競争で生き残るためにはEV化で先行する以外に選択肢がないとの判断による。EVの課題である電力自体の「グリーン化」についても、欧州では再エネ等によるグリーン電力の調達を促進する動きも急だ。

 

 ボルボは昨年、完全EVモデルの第一弾の「XC40 Recharge」をグローバル市場で販売している。今回のフルEV化と合わせて、EV第二弾としてSUV車「C40 Recharge」を発表した。 引き続き、EVモデルを増やしていくとしている。

 

 ボルボの最高技術責任者(CTO)のヘンリック・グリーン(Henrik Green)氏は、「もはや内燃機関エンジン車には先行きの未来はない。われわれはEVメーカーとして市場にコミットし、2030年までの移行期間を進めていく。それが顧客の期待に応えることになり、気候変動と闘ううえでソリューションの一部になるだろう」と指摘している。

https://www.media.volvocars.com/global/en-gb/media/pressreleases/277409/volvo-cars-to-be-fully-electric-by-2030

https://www.media.volvocars.com/global/en-gb/media/pressreleases/277559/volvo-cars-launches-new-pure-electric-volvo-c40-recharge