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大型外航船舶からのCO2排出量を「見える化」サービス。ウェザーニューズ社がリアルタイムで排出量と環境性能の評価システム「CIM」を提供(RIEF)

2021-10-14 11:38:56

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 ウェザーニューズ(千葉市)は、船舶からのCO2排出量を監視する「CIM(Carbon Intensity Monitoring)」の本格提供を始めた。国際海事機関(IMO)が海運事業からの温室効果ガス(GHG)排出量削減のため、大型外航船を対象に新たな規制「燃料実績格付け制度」を導入、2023年から適用されることを踏まえ、各船舶からの排出CO2の「見える化」を実現する。

 

 IMOの新規制は、船舶の年間平均燃費実績や環境性能を航海ごとに環境性能を5段階のランクで評価するもの。大型外航船の船主や船舶管理会社では燃費対策が急務となる。ウェザーニューズ社は今年4月にCIMを開発しており、今回、IMOの規制に対応できるようバージョンアップしたとしている。

 

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 CIMでは、航海時にリアルタイムで各船舶のCO2排出量を把握できるほか、航海終了時に、CO2排出量や燃料消費量、航行距離などから「環境性能」を評価できる機能があるという。環境性能の評価は航海ごとに5段階でランク付けする。船主や船舶管理会社は、CIMを活用して所有する船舶のCO2排出量と環境性能をタイムリーに確認できるとしている。


 同サービスは一般財団法人日本海事協会からデジタル技術を活用した革新的なソリューションであるとの認証を得た。海上輸送時のCO2排出量の算出には、運航データや算出方法の信憑性が問われるが、同社のCIMは第三者認証を得ていることでデータの信頼性を確保できたとしている。

 

 ウェザーニューズ社では、今後もCIMを改良し、2022年中には最適航路選定を支援する「OSR(Optimum Ship Routeing)」サービスに、CO2を削減する環境性重視の航路・速度を選択できる機能を追加するという。OSRは、燃料やスピードなど船舶ごとのパフォーマンス特性を解析し、目標を達成する上で最適なルートやエンジン回転数などを船長や陸上の運航管理者に提供する。OSRに「環境性」評価を追加することで、CO2排出量を抑える航海が可能になるとしている。

 

 IMOは、2050年までに海運事業でのCO2総排出量を50%削減(2008年比)という目標を掲げている。

 

https://jp.weathernews.com/news/37375/