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「東アジアオセアニア中央銀行会議(EMEAP)」によるグリーンボンド投資、アジアでの気候対策資金調達増に対応し、来年春にも投資開始。日本の国債は対象外(RIEF)

2021-11-06 18:03:32

EMEAPキャプチャ

 

 アジア太平洋の中央銀行で組織する「東アジア・オセアニア中央銀行会議(EMEAP)」は、アジアの資本市場育成のために設立している「Asian Bond Fund (ABF)」を通じて域内でのグリーンボンド投資の体制整備が完了したと公表した。EMEAPによるグリーンボンド投資は7月に方針を発表していた。今回、投資のための参照インデックスの準備が整い、来年3月末以降に、本格的なグリーン国債投資を展開することになる。

 

 EMEAPは、1997年に発生したアジア通貨危機以降、危機の教訓から、アジア債券市場の育成を進めている。2005年にABFを創設した。ABFは対象地域での各国通貨建ての債券市場の育成を目指している。買い入れ対象は、アジアの国債および政府系機関債で、社債ではないため、今回のグリーンボンド投資も、企業発行のグリーンボンドではなく、グリーン国債等への投資とする。

 ABFの投資対象には、EMEAP11カ国のうち、先進国のオーストラリア、日本、ニュージーランドは含まれていない。また加盟国でグリーン国債を発行しているのは、インドネシア、香港、韓国等とまだ少ないが、今後、気候対策の資金調達等で他のアジアの国々によるグリーン国債の発行が期待される。政府系機関債としてはコロナ禍で、ソーシャルボンド等が発行されている。

 ABFは、投資に際して英国拠点の情報プロバイダー、IHS Markit社が提供する「iBoxx ABF Index」を参照している。同インデックスは、EMEAP各国・地域(オーストラリア、日本、ニュージーランドを除く8ヶ国・地域)の発行体の現地通貨建てソブリン・準ソブリン債の動きを示す債券指数であり、今回、グリーン国債を指数に組み込む整備が行われた。

 対象となるグリーン国債は、英Climate Bonds Initiative(CBI)あるいは、国際資本市場協会(ICMA)の各クライテリアへの適合評価を得たものとする。公的機関の発行債については、各市場での発行体当たり5本までとする現行の制限を、発行体当たり10%へと、割合方式に修正する。改正ルールは、来年3月31日に予定する指数のリバランス実施とともに有効にし、投資に反映させる。

 

 日本の国債は基本的にABFの投資対象外であるほか、日本はグリーン国債を発行していないので、投資対象にはならない。しかし、日銀はアジア諸国の債券市場整備につながるとして支援する方針だ。

https://www.markit.com/NewsInformation/GetLinkedNews/2992021Results-of-the-iBoxxAsian-Annual-Index-Review-2021?Product=IBoxx

https://www.emeap.org/wp-content/uploads/2021/11/Final-2nd-Press-Release.pdf