HOME4.市場・運用 |ノルウェー、昨年(2021年)の新車販売に占める電気自動車(EV)割合が65%に。3台に2台はEV。今年は80%に迫る見通し。一番人気の車種はテスラの「モデル3」(RIEF) |

ノルウェー、昨年(2021年)の新車販売に占める電気自動車(EV)割合が65%に。3台に2台はEV。今年は80%に迫る見通し。一番人気の車種はテスラの「モデル3」(RIEF)

2022-01-06 00:46:22

Osroキャプチャ

 

  ノルウェーの21年中の新車販売に占める電気自動車(EV)の割合が前年より11ポイント上昇して65%に達した。新型コロナウイルス感染の影響で、2020年の自動車販売は低迷したが、21年の新車販売数は前年比25%の増加となり、EV率も上昇を続けた。最も売れたのは米テスラで、車種ではModel3がベストセラー車だった。2022年のEVシェアは75~80%にまで高まりそうという。

 

 ノルウェーの自動車業界団体によると、21年年間の新車販売台数は、7万6276台で過去最高の売れ行きだった。このうち65%に相当する約4万9580台がEVで占められた。プラグインハイブリッド(PHEV)のシェアは2ポイント増の22%だった。EVとPHVを合わせると、9割近くが電動車で占められたことになる。

 

 他の欧州の主要国でノルウェーに次いでEV販売割合が高かったのは、ドイツで14%。 フランスは10%。6日に発表される英国も21年1~11月の累計で11%となっており、主要3カ国が10%台でそろうことになる。

 

 ノルウェーは自動車をすべて輸入している。EVではテスラと独フォルクスワーゲンが競い合っているが、21年はテスラが販売首位の座を得た。ノルウェーのEVシェアが高いのは政策誘導の影響が大きい。EVを購入またはリースすると、購入税、付加価値税(VAT)、自動車税(VED)等が軽減されるほか、社用車としてEVを導入する企業も多額の補助金が得ることができる。

 

 また、道路通行料や公共駐車場の料金は法律で安く設定され、バスやタクシー用の優先レーンを利用することもできる。国内には約1万6000カ所以上の充電ステーションが整備されている。同国の充電ステーション数は欧州全体の約10%を占める。ただ、新車販売の大半がEVだが、中古車を含む国内の走行自動車でみると、電動化率はPHEVを含めても、まだ約20%の水準にとどまる。

 

 一方、ドイツ連邦自動車局(KBA)が5日発表した21年の新車販売台数は前年比10%減の262万台。EVは83%増の35万台となり、新車に占めるEV割合は20年の7%から14%に倍増した。ドイツのPHVシェアは5ポイント増の12%、ハイブリッド車は5ポイント増の16%。

 

 昨年の欧州の自動車市場は、世界的な半導体不足の影響を受け、生産が需要に追いつかない状況となった。このため、自動車各メーカーはEUが20年から21年にかけて段階的に導入した新たなCO2排出規制を達成するため、EV生産を優先させた。その結果、EV化率が例年以上に高まった。22年も各社がそろって新車のEV発売を目指しており、欧州・EUのEV化率の上昇は引き続き高まりそうという。

https://www.reuters.com/business/autos-transportation/electric-cars-take-two-thirds-norway-car-market-led-by-tesla-2022-01-03/