HOME |年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、新たにFTSE Russell社のESG投資インデックス採用。ESG投資では8本目。新インデックスに当初資産として7600億円を投じる(RIEF) |

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、新たにFTSE Russell社のESG投資インデックス採用。ESG投資では8本目。新インデックスに当初資産として7600億円を投じる(RIEF)

2022-03-31 07:56:42

GPIF22キャプチャ

 

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は30日、新たなESG投資の総合型指数として、FTSE Russell 社が提供する「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」を採用したと発表した。同インデックスに基づくパッシブ運用は7600億円規模で開始する。これでGPIFが採用するESG指数は国内株式・外国株式合計で8本になった。

 

 GPIFが選定した「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」は、FTSE RussellのESG評価に加え、環境負荷の大きさ、および企業の気候変動リスクに対するマネジメントの評価 を用いてスクリーニングするベストインクラスの選別型のESG総合指数。FTSE Japan All Cap Index(構成銘柄1391)を親指数とし、ESG評価の高い494銘柄を選出している。

 

 直近3年のトータルリターンは14.12%で、東証TOPIXの12.67%を上回っている。銘柄の評価は①FTSE RussellのESG評価②カーボンインテンシティ(売上高当たりの温室効果ガス排出量)③企業の気候変動リスク・機会に対する経営姿勢、の3つの観点で実施している。

 

 GPIFはこれまで、MSCIジャパン ESGセレクト・リーダーズ指数、S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数等のESGインデックスを選出しており、今回のインデックスで8本目となる。FTSE Russellのインデックスは3本目。

 

 今回の新指数の選定に際して、①指数のウエイト付けや銘柄選定で、ESG評価が重視されている②ESG評価の透明性が高く、企業側にも評価手法が分かりやすく、市場の底上げが期待さ れる指数である③特定の業種・業態の企業を選定除外とするネガティブスクリーニングが含まれない④親指数に対するトラッキングエラーが比較的小さく、投資キャパシティが大きいティル ト型や組み入れ銘柄数が多い――等を評価したとしている。

 

  GPIFの宮園雅敬理事長は「2017年度に初めて国内株式を対象とした ESG指数を採用して以来、ESG運用を拡大してきた。今後も、すでに採用している指数の改善に向けたエンゲージメントや新たな指数の採用を行いな がら、ESG投資やスチュワードシップ活動を通じて、投資先や市場全体の持続的成長による長期 的な収益の確保を目指していく」としている。

https://www.gpif.go.jp/esg-stw/20220330_esg_adopt_jp.pdf