神戸製鋼。加古川製鉄所の高炉2基のうち1基をCO2排出量の少ない電炉に切り替える方針打ち出す。CO2排出量は約4分の1に。発電事業は2030年にアンモニア混焼20%(RIEF)
2024-05-21 16:02:57
(写真は、神戸製鋼の兵庫・加古川製鉄所=同社データより)
神戸製鋼は同社加古川製鉄所(兵庫県)にある高炉2基のうち、1基をCO2排出量の少ない電炉に切り替える方針を示した。同社では、CO2排出量を2030年度に30~40%削減(2013年度比)目標を立て、高炉での直接還元鉄(DRI)の活用促進等を進めている。同時に、現行の「高炉二基体制」を前提とせず、高級鋼製造が可能な大型革新電炉の導入を前倒しで加速する考えを示した。電炉は高炉よりも同じ量の鋼材生産に際して、CO2の排出量が約4分の1に抑えられるメリットがある。
同社の勝川四志彦社長が20日の中期経営計画(27年3月期までの3カ年)の説明の中で述べた。同社は高炉を加古川製鉄所で2基保有している。同計画は「カーボンニュートラルへの挑戦」を掲げ、製鉄プロセスでの2030年に向けたCO2排出削減策として、①高炉へのDRI活用を促すHot Briquetted Iron(HBI)の多配合や省エネ化の実行②HBI多配合に必要な低炭素鉄源確保のため、鉄鋼アルミ事業部門とエ ンジニアリング事業部門の連携強化③現状の高炉2基体制を前提とせず、革新的電炉導入の検討を加速ーーを政策の柱としている。

「HBI」は、鉄鉱石を高炉よりも低温で、天然ガスなどからの還元ガスや石炭などの還元剤によって直接還元する製鉄法で得られる直接還元鉄(DRI)を、輸送や保存がし易いように、ブリケット状に圧縮・成形したものをいう。同社の米子会社Midrex社はDRI技術の先進企業として知られる。HBIを利用することで、DRIを使ったCO2排出量の少ない鉄鋼製造が可能となる。
加古川工場に導入を検討する「革新的電炉」では、電炉の課題である原料のスクラップ鉄やDRIの製造に際しての不純物の発生を防ぐため、高効率で溶解することで、 高級鋼製造を可能にすることを目指すものだ。中期計画では2030年代の導入を想定している。HBIの多配合やCRIの活用については現行技術として導入を進めていく。
一方、同社の電力事業での炭素化では、4機の石炭火力発電所を抱える神戸発電所について、 ①発電所の蒸気活用による地域全体でのエネルギー利用効率化②バイオマス燃料(下水汚泥、食品残渣)の 混焼③20%のアンモニア混焼、と将来の専焼等の検討、を掲げている。ガス火力の真岡発電所(栃木・真岡市)については、高効率GTCCによる低CO2発電の安定操業継続に加え、カーボンニュートラル(CN)都市ガスの最大活用を検討するとしている。
発電所の脱炭素化スケジュールとしては、神戸発電所の1~2号機で2030年ごろに20%アンモニア混焼を実現し、同3~4号機については30年代に混焼率を引き上げてアンモニア混焼化を実現、段階的に専焼化に切り替える、としている。真岡発電所の都市ガス専焼からCN都市ガスへの切り替えは2050年までとしている。
メディアの報道では、中期計画の説明会で勝川氏は、高炉と電炉1基ずつの体制への切り替えに言及するとともに「生産量のバランスや電炉で高級鋼が作れるのかなどを考えたうえで、一番自由度のある体制だ」と述べた。電炉転換する場合の従業員については「減る方向だと思う。具体的に決まっていない」としたという。
中期計画では27年3月期まで3年間での技術開発や事業強化に向けた投資額は約1兆円と想定している。そのうち、鉄鋼や電力事業での脱炭素関連投資に3000億円を投じる計画だ。31年3月期までに売上高3兆円、経常利益2000億円を目指すとしている。
https://www.kobelco.co.jp/releases/1214707_15541.html
https://www.kobelco.co.jp/releases/files/20240520_1_02.pdf
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC175O50X10C24A5000000/?type=my#AAAUAgAAMA

































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