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「持続可能な航空燃料(SAF)」の利用で生まれる「Scope3環境価値」の取引市場構築へ。日本航空、伊藤忠、みずほ銀行など7社が連携。実証実験を開始(RIEF)

2024-08-03 17:35:14

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 伊藤忠商事、日本航空、みずほ銀行などの7社が連携し、持続可能な航空燃料(SAF)を使った航空機に乗ることで生じる間接的なCO2排出削減効果(Scoep3環境価値)を取引するスキームづくりのプロジェクトを立ち上げた。SAFを燃料に使った航空機に乗ると、航空機から直接排出されるCO₂(航空会社のScope1)が削減されると同時に、航空貨物輸送や社員の出張等で航空機を利用する側にも、間接的なCO₂(航空利用者のScope3)の削減効果が生まれる。これを「Scope3環境価値」と呼び、航空輸送を利用する企業は自社のScope3排出量を削減できることになる。SAF利用に伴う環境価値を売買するプラットフォームの構築作業は世界で初めてとしている。

 

 SAF利用航空機からの「Scope3環境価値」取引スキームを目指すのは、成田国際空港(NAA)、伊藤忠商事、ENEOS、NIPPON EXPRESSホールディングス(NX)、日本航空、みずほ銀行、みずほリサーチ&テクノロジーズの7社。

 

[Scope3環境価値」プラットフォームの関係図。
[Scope3環境価値」プラットフォームの関係図。

 

 各社は、「燃料供給事業者、航空会社、フォワーダー、空港会社が一堂に会して『Scope3環境価値』の取引を活性化させる取り組みは世界で初めて」と強調している。今回は成田空港発着便を対象とした試験的な実証取引を行い、その後、参画企業を拡大して本格的な実証事業を重ね、実際の取引スキームを仕上げていくとしている。航空輸送に関わる多くの企業がスキームに参加することで、SAFの普及にもプラスの効果が期待されるとしている。

 

 SAF燃料を提供する燃料供給者とSAFを航空機に利用する航空会社が、Scope3環境価値の提供者となる。一方で航空貨物を利用するフォワーダー(荷主)や、社員の出張等で航空機に乗る企業が同環境価値の購入者となる。航空会社等が同環境価値の証書を発行し、それを企業等が有料で購入して、自社のSCope3排出量削減に使うことになる。プラットフォームはこうした売り手と買い手のマッチングの場になるとともに、同価値の価格を表示する機能等も備えることになるとみられる。

 

 現在も、SAFの燃料供給事業者や航空会社は、各社個別でScope3環境価値を利用企業に販売している。そうした環境価値の提供者の場合、自社プログラムに加えて、今回のプロジェクトで構築するスキームにも参加することで、Scope3環境価値の新たな販売先を得ることができる。さらに環境価値の販売者と購入者との両者が、プラットフォームに参加することで同環境価値の売買を集約化できることから、従来のように、売買相手ごとに複数の個別契約を結ぶ必要がなくなるメリットもある。

 

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 同プロジェクトのスキームを通じて環境価値が活発に取引されることにより、航空輸送のバリューチェーン全体でSAFに関するコストを航空会社だけでなく、利用企業も含めてシェアすることになる。参加企業は「航空輸送のバリューチェーン全体を脱炭素化に巻き込むことで、航空業界の持続的成長を実現する」としている。

 

実証試験における各社の役割は以下の通り。

伊藤忠商事:SAFの供給とScope3環境価値の提供

ENEOS:SAFの供給とScope3環境価値の提供

JAL:SAFの使用に伴って発生したScope3環境価値の提供

NX:航空貨物輸送に係るScope3環境価値の購入、荷主へのScope3環境価値の展開

みずほ銀行:実証事業の運営及び取引体制の確認サポート

みずほリサーチ&テクノロジーズ:実証事業の運営及び取引体制の確認サポート

NAA:プラットフォーム運営・事業企画、従業員の出張に係るScope3環境価値の購入

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001057.000030684.html

https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2024/240802.html