再エネ大手「レノバ」。静岡・御前崎で完成間近の「御前崎港バイオマス発電所」の稼働を来年3月まで延期。「設備調整に時間」。海外からの輸入木質ペレット等の調達問題も影響か(RIEF)
2024-09-12 00:41:11
(写真は、すでに設備の外観等は完成している御前崎港バイオマス発電所=同社サイトから)
独立系再生可能エネルギー大手のレノバ(東京)は、静岡県御前崎市で10月にも完成する予定としていた「御前崎港バイオマス発電所」の稼働時期を来年3月に延期すると発表した。現在は長期間の安定稼働に向けた試運転を続けているが、「設備の最終調整に時間を要している」として稼働の延期を決めた。同発電所は海外からの輸入木質ペレットとパーム椰子殻(PKS)を燃料とする予定で、ベトナム産の木質ペレットの品質不良による火災・爆発事故が各地で発生していることと、稼働延期が関係している可能性もある。
御前崎港に建設される同発電所は、同社の持分法適用会社の「合同会社御前崎港バイオエナジー(御前崎港GK)」が保有・運用する。同事業には、同社のほか、中部電力、三菱電機フィナンシャルソリューションズ、鈴与商事が出資参加している。
発電容量は75.0MW。想定年間発電量は約5億3000万KWhで、一般家庭の年間消費電力量で約17万世帯分に相当する大規模バイオマス発電所だ。使用するバイオマス燃料は固定価格買い取り制度(FIT)で高い買い取り価格が保証される木質ペレットとPKSを海外から輸入するとしている。
同社では「ボイラー・タービン設備の調整に時間がかかっている」と、稼働延期理由を説明している。だが、同発電所の当初の開業時期は23年7月としており、すでに1年以上遅れている。再延期となることで同社の見通しの甘さという問題に加え、昨年来、全国各地のバイオマス発電所で発生しているバイオマス燃料からの火災・爆発事故に共通する燃料の品質不良問題の影響があるのでは、との見方も出ている。
発電に使用する輸入木質ペレットについては、わが国へのベトナムからの輸入品について、低品質の木質燃料が混在している可能性が指摘され、それらが火災事故等の原因になっているとの見方が強まっている。業界関係者は、同発電所の木質ペレット燃料もベトナム産が含まれると見込まれており、それらを別の輸入元に切り替えたり、新たに輸入量を確保する等のために時間を要している可能性がある、と指摘している。
海外のバイオマス燃料の輸入を前提とする同社のバイオマス発電は、同社の再エネ事業での売り上げ収益のほぼ8割を占める基幹部門。現在は、秋田、苅田、仙台蒲生、徳島津田、石巻ひばり野にそれぞれ大規模バイオマス発電所を稼働させており、御前崎港の稼働でさらに収益基盤を強化する見通しだった。
発電所の稼働時期の変更に伴い、FITでの売電期間の変更手続きを行い、発電電力は2044年11月30日までの買い上げとなる。また工事の遅れに伴いEPC事業者から完工遅延損害賠償金を受領したとしている。ただ、売電時期の遅れと工事費の増額により、運営会社の今期(2025年3月期)の売上高は約50億円減収する見込みだが、営業利益及び段階利益への影響は限定的としている。レノバ本体の今期の連結業績予想は変更なしとしている。

































Research Institute for Environmental Finance