JERA。「卸売電力価格高騰問題」で、再発防止の業務改善策を公表。経営者の責任や、価格高騰で損害を被った新電力等への補償問題には言及せず(RIEF)
2024-12-13 13:09:24
日本最大のCO2排出企業であるJERAは12日、2020 年末から2021年1月にかけて卸売電力価格が高騰した問題で、電力・ガス取引監視等委員会から業務改善勧告を受けたことに対する対応策を公表した。それによると、社内調査の結果として、(電力価格高騰については)利益を享受する目的で相場操縦を行う意図はなかったとしたうえで、再発防止策として、①ガバナンス体制の強化や適正取引ガイドラインへの適合性の指針となる基準の明確化②トップマネジメントの関与や教育・研修の充実など「社内風土の醸成」ーー等に努めるとした。JERAの市場対応によって生じた卸売電力価格の高騰で損害を被った新電力等への補償については言及していない。
JERAや既存電力のように市場支配力の強い大手電力会社等は、余剰電力が生じた場合、卸売市場のスポット市場への供出を義務付けられている。しかし同委員会によると、JERAは2019年4月以降、23年10月までの4年半にわたり、東京エリアのスポット市場への余剰電力供出量の算定で、停止する発電ユニット出力の一部で出力制約が起きた場合を含め、一律にスポット市場への「供出不可」として入札量を設定し、市場へ未供出の状態を続けた。https://rief-jp.org/ct4/150628
同委は、JERAがルール通りの余剰電力の拠出を続けていれば、2020年10月から23年10月までの約3年間だけでも、約54億kWhの売り入札が追加され、そのうち約6億5000万kWhの売り入札が約定していた可能性がある、と指摘した。 2021年11月の事例では、予定通りの供出があれば市場価格は50円/kWh以上下がっていた可能性があるという。その分、新電力などは高い価格での購入を強いられ、経営圧迫につながった。
同委勧告に対してJERAは、「利益を享受する目的で相場操縦を行う意図はなかったことを確認した」、「業務改善勧告を真摯に受け止め、経営層自らが本事案の重要性を再認識し、強化したガバナンス体制による一体的な取り組みを主導することで、再発防止策を着実に実行していく」等と再発防止を強調した。https://rief-jp.org/ct4/150679?ctid=
具体的な再発防止策としては、①ガバナンス体制の強化や適正取引ガイドラインへの適合性の指針となる基準を明確化するなど「仕組みの構築」を進める②トップマネジメントの関与や教育・研修の充実など「社内風土の醸成」に努めていく、との2点をあげた。
このうち①の「仕組みの構築」については、(a)ガバナンス体制強化(3線管理の導入)(b)適切性を確認する機能強化(ミドルチェック機能強化)(c)コンプライアンス・ガバナンス面からの牽制機能強化(d)データ管理フレームワーク強化(e)ガイドライン適合性の指針となる「基準」の明確化(f)社内ルール体系見直し、プロセス見直し時のルール明確化ーーの6点をあげた。
②の「社内風土の醸成」では、(g)トップマネジメントの関与(h)オペレーターの意見を集約し、有識者と議論する場を設定(i)入札担当部署内のコミュニケーションの充実(j)相談窓口の充実(k)社員が安全に声をあげられる仕組み(l)教育・研修の充実(m)eラーニング活用拡大(n)組織間ディスカッションーーの8点。
いずれも、企業にとっての、通常の仕組みや社内取り組みの基本要因であり、それらが機能していなかったことの原因や、経営責任については言及していない。

































Research Institute for Environmental Finance