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環境債の国際標準化を進める英Climate Bond Standard Boardに 米カリフォルニア州の財務室が参加(Climate Bonds Initiative)

2011-06-13 17:14:08

カリフォルニア州財務官のビル・ロッキャー(Bill Lockyer)氏は、投資家や政府向けにグリーンボンド(環境債)に対する環境上のリスク規範評価を容易にするプログラムを監督しているClimate Bond Standards Board(CBSB:気候変動債券基準委員会)に参加すると発表した。

「CBSBに参加することは、気候変動問題に向き合うカリフォルニア州の米国における主導的役割を強化する」と、ロッキャー氏は述べた。さらに彼は「(ポスト京都の交渉問題が未解決という)現在の状況に関わらず、世界の政府や投資家は、投資増大や雇用増といった利点を伴う、持続可能な低炭素経済成長に移行するという素晴らしい機会を持っている。環境債や気候変動債の標準化はカリフォルニア州内や世界中のこうした移行を容易にするツールを提供する。我々はCBSBの他のパートナーと共に環境債・気候変動債の市場化のために、実践的で一貫性のある標準案を設定したい」と語った。

 Climate Bonds Initiative会長のSean Kidney氏は次のように話している。「IEAによると、もし我々が気候変動の悪化によって引き起こされる壊滅的打撃を被ることを避けようとするならば、低炭素産業を資金面から支えるために年間1兆ドル超が必要となる。その資金の多くを債券市場から調達するだろう。我々はそうした資金が低炭素経済への移行をうながすため、投資が確実になされるようにしなければならない。そのため標準化は、投資家や政府に対してグリーン投資の規範を評価し、グリーン投資が好まれるような、多国間で通用するツールを提供することになる」と述べた。

ロッキャー氏は、州財務官として、現在700億ドルの投資ポートフォリオを監視している。カリフォルニア州公務員退職年金基金(CalPERS)やカリフォルニア州教職員年金基金(CalSTRS)のボードメンバーでもある。その二つの公的年金基金はそれぞれ総額2360億ドルと1554億ドルの資産を持っている。ロッキャー氏の監督に基づいてカリフォルニア州の財務官室では、世界銀行グリーンボンドプログラムの最初のサポーターの一つであり、2009年には同プログラムに3億ドルの投資をした。

 気候変動問題の解決を目指す投資を対象とした120億ドルの世銀のグリーンボンドシリーズはすでにいくつかが発行されている。この環境債市場の成長は、機関投資家にカーボン高排出型投資から低炭素型投資に切り替える機会を提供し、低炭素経済の成長を促進する機会をも提供することになる。

世界の債券市場で取引されているファンドは、2010年には105兆ドルに達した。昨年、新たに6兆ドル以上の債券が発行された。Kidney氏は、「現在の債券市場で運用中のファンドの年間1%分を低炭素経済の構築に向けるという挑戦は、達成する可能性が高い」と指摘している。

カリフォルニア州財務室は機関投資家の一員でもあり、CBSBの構成員となることでNGOにもなる。同州以外でもすでに、CDPやNRDCなどもメンバーに含まれている。

気候変動債は、標準化された投資資産を元に発行される予定だ。対象となる資産は、風力発電所や太陽光発電所を含む。認証第三者立証機関が、対象となる債券が定められた標準に合った仕様になっているかどうかを審査することになる。Kidney氏は、最初の標準化債券はこの数週間以内に発行されるだろうと、述べている。英文版 http://financegreenwatch.org/?p=1455