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米州開発銀行 日本の個人投資家に向け、ラテンアメリカの若者教育・雇用支援の4本目のEYEボンド発行。社会貢献とリターンの確保期待。野村證券が販売担当(RIEF)

2015-10-10 18:29:59

IDBキャプチャ

米州開発銀行(IDB)は、ラテンアメリカ・カリブ海地域での若者層支援のための資金調達としてEYE(Education, Youth, and Employment: EYE).教育・若年層支援・雇用支援)ボンドを発行する。

 

 ブラジルレアル建てなど3種類の途上国通貨建て。日本の個人投資家向けに野村證券が販売を担当する。IDBのEYEボンドは、昨年9月から発行されており、今回が4回目となる。

 

 IDBは、ラテンアメリカ・カリブ海地域各国における、貧困や所得格差の削減に取り組んでいる。EYEボンドで調達した資金は同行内部の個別勘定に繰り入れられ、IDBが定義する適格要件を満たす教育・若年層支援・雇用支援分野の事業に融資される。

 

 ボンドは今月28日に発行の予定。期間3年のブラジルレアル建て債券、期間5年のインドルピー建て債券、期間3年のトルコリラ建て債券の3種類。IDBのEYEボンドは、主に日本の個人投資家への販売を意識しており、IDBのサイトには日本語での紹介コーナーがあるほど。

 

 IDBだけでなく、世界銀行、国際金融公社、欧州投資銀行などの国際公的金融機関は、日本の個人投資家向けに、環境事業に特化したグリーンボンドや社会貢献型ボンドを積極的に販売している。国際公的金融機関の債券発行関係者の間では「Uridashi(売り出し)」という言葉が、数年前から共通語になっているほどだ。

 

 日本の個人投資家にとって、国内の低金利が続く中、投資目的が環境や社会にプラスになる点と、もっぱら途上国での事業が主となることから、途上国通貨建てによる為替リスクはあるものの、クーポンレートが相対的に高いのも魅力になるようだ。

 

 今年7月には、第一生命が8億メキシコペソ建て(約5000万㌦)のEYEボンドを私募の形で引き受けている。長期投資を目指す生保や年金基金にとっても、EYEボンドなどの国際公的金融機関のUridashiボンドは、投資魅力のある金融商品といえそうだ。

 

 野村證券によると、IDBの資金調達部門ヘッドであるLaura Fan氏は、「日本の個人投資家がラテンアメリカ・カリブ海地域の社会的・経済的発展に寄与するプロジェクトを支援することに対して強い関心や意欲を持ってくれることを喜んでいる」とコメントしている。

 

 野村は自身の役割を、投資を通じて社会に貢献したい投資家と、ラテンアメリカ・カリブ海地域の生産性の向上と青少年の雇用確保を目指すIADBプロジェクトとの橋渡し役、と位置づけている。



 米州開銀は1959年に設立され、ラテンアメリカ・カリブ海地域の経済発展、社会開発、組織開発における主要な長期資金の供給源になっている。また、最先端の調査、政策アドバイス、技術支援、公的・民間機関に対するトレーニングも担っている。日本政府は1976年にアジア初の米州開銀加盟国になって以来、複数の基金やプログラムを通じて支援協力活動を行っている。

 

http://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nsc/20151007/20151007.pdf