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米アーティスト・歌手のアリシア・キーズさん。アムネスティから「良心の大使賞」を受賞。カナダの先住民の権利のために闘う人々とともに。(RIEF)

2017-04-14 00:05:53

Alisiaキャプチャ

 

 アムネスティ・インターナショナルは2017年度「良心の大使賞(the Ambassador of Conscience Awards)」を、世界的なアーティスト・歌手で人権活動家でもあるアリシア・キーズさんと、カナダで先住民族の権利のために闘う人々に贈ると、発表した。

 

 「良心の大使賞」はアムネスティ・インターナショナルで最高の名誉ある賞で、人権擁護のために卓越したリーダーシップと勇気を示した人物に贈られる。これまで南アフリカのネルソン・マンデラ氏、ノーベル平和賞受賞のパキスタンのマララ・ユスフザイさんらに贈られている。受賞式は、5月27日にカナダのモントリオールで行われる。

 

 アリシアさんは、これまでグラミー賞を15回も受賞した人気と実力を兼ね備えた歌手であり、アーティストとして知られる。同時に、幅広い慈善活動や社会貢献活動を展開してきた。

 

 たとえば、フリカやインドでHIVに感染した子どもたちや家族に治療とケアを提供するNGO「キープ・ア・チャイルド・アライブ」(KCA)を共同創立者として立ち上げ、地域のNGOらと連携して、HIVの治療活動と社会的理解の進展を進めている。

 

 また2014年には、何かを変えるために集まろうと若者たちを促す「ウィー・アー・ヒア(ここにいるよ)」運動を仲間とともに立ち上げた。「キミはどうしてここにいる?」と人々に問いかけ、社会のための行動を呼び掛けている。この運動で彼女の音楽ファンに結束して行動を起こそうと訴え、米国の司法制度改革や銃規制などの課題に取り組んでいる。

 

 難民問題にも積極的に関わっている。昨年、世界難民の日を記念する「レット・ミー・イン」という短編映画の制作に携わり、自らも出演した。アリシアさんの曲「ハレルヤ」をベースとしたこの映画は、メキシコ国境へ逃亡するはめに陥った若いアメリカ人一家の物語で、難民問題を身近な人々の視点でとらえた。

 

 もう一つの受賞者となった、カナダの先住民族の権利運動は「今こそ行動を」という草の根運動の6人の住民たちだ。2012年12月以来、米大陸の本来の所有者である先住民族の長年の闘いに光を当て、彼らが自分たちの土地や資源や環境に関して決定権を行使できるよう手助けしてきた。

 

 アリシアさんは、「こんな立派な賞を、しかも先住民族の権利運動の皆さんと一緒にいただいて、私にはもったいないほどの体験です」「おかげで、これからも不正義に反対の声をあげ、私にとって大切な問題に注意を訴えていくための勇気をもらいました」と喜びの声を上げている。

 

 アリシアさんはアムネスティに寄せたコメントで次のように語っている。

 

 「良心とは、だれであろうと私たちみんなが持って生まれたものです」

 

 「何かおかしいなと感じたとき自分に語りかける小さな声、私はそれをいつも自分の道案内としています。幼い少女の頃からいつも、内なる声が私に叫んでいたんです!」

 

 「今はただ、わかった、じゃあどうしたらいい、と返す。自分に問いかけるのはその問いだけ、あとは行動あるのみです」

 

http://www.amnesty.or.jp/news/2017/0413_6753.html