HOME |日本の2015年度のCO2排出量、前年比2.9%減の13億2500万㌧。2年度連続の減少。省エネ効果の浸透が影響。京都議定書時の目標年の90年比では4.0%増とまだ高い(RIEF) |

日本の2015年度のCO2排出量、前年比2.9%減の13億2500万㌧。2年度連続の減少。省エネ効果の浸透が影響。京都議定書時の目標年の90年比では4.0%増とまだ高い(RIEF)

2017-04-14 12:20:46

CO2キャプチャ

 

  環境省は13日、2015年度の温室効果ガス排出量〔確定値)が二酸化炭素(CO2)換算で前年度比2.9%減の13億2500万㌧だったと発表した。昨年12月に公表した速報値より若干の上方修正となった。14年度から2年連続の前年比減少したことになる。省エネの進展によってエネルギー起源のCO2排出量が減ったことが影響した。

 

 同省は今回のデータを、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局へ提出する。速報値は、前年度比3.0%減の13億2100万㌧としていた。15年度の排出量は05年度に比べて5.3%減、13年度比6.0%減だった。ただ、京都議定書の目標とした90年度比では4.0%増となっている。http://rief-jp.org/ct4/66214

 

 日本のCO2排出量は、リーマンショックの影響を受けた09年度に13億㌧台を割り込む大きな減少をみせたが、その後、景気の緩やかな回復や、11年3月の東日本大震災による原発停止の影響で石炭火力発電の稼動が増えるなどの影響で、上昇基調に転じていた。この間、省エネルギー機器・設備が普及し、再生可能エネルギーの導入による電力の排出原単位の改善等が進んだことから、14年度をピークに再び減少傾向に入っている。

 

 CO2排出量は削減傾向に転じたが、オゾン層を破壊しない代替フロン(冷媒)のハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量は、前年度比9,6%増と増え、代替フロン4ガス全体でも6.8%増となっている。CO2の吸収源となる森林や農地・牧草地などの吸収量は、5880万㌧だった。環境省は原発再稼動によるCO2の省エネ効果は約410万㌧だったと説明している。森林等の1割にも満たないことがわかる。

 

 エネルギー起源の排出量は前年度比3.4%減の11億4900万㌧。部門別にみると、産業部門が同3.1%減の4億1100万㌧、業務その他部門が同じ3.1%減の2億6500万㌧、運輸部門が同1.7%減の2億1300万㌧、家庭部門が同5.1%%減の1億7900万㌧、エネルギー転換部門(発電所)が同6.4%減の7950万㌧だった。工場などの産業部門とオフィスなどの業務部門を合わせた企業活動によるCO2排出量は全体の58.7%を占めている。

http://www.env.go.jp/press/files/jp/105529.pdf