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日本の2015年度の温室効果ガス排出量、2年連続で減少。13億2100万㌧。家庭、オフィスの省エネ効果が反映。最大排出源・産業部門の減少率下がる(RIEF)

2016-12-06 18:29:05

GHGキャプチャ

 

 環境省は6日、2015年度の国内の温室効果ガス排出量(速報値)が、二酸化炭素(CO2)換算で14年度比3.0%減の13億2100万㌧になったと発表した。前年度に続き2年連続の減少。企業や家庭の省エネの進展と、再生可能エネルギーの利用が拡大したことなどで電力の使用等が減ったのが主因とみられる。

 

 CO2の総排出量は、前年度に比べると、電力消費量の減少のほか、電力の排出原単位の改善(再エネ発電の増加、原発の再稼動等)によろ、電力由来のCO2排出量の減少が大きかった。14年度比では6.0%減となった。

 

 部門別では、最もCO2排出量が多かったのは、前年に引き続き産業部門(工場等)で、4億1300万㌧(全体の35.9%)。前年度比2.1%減で、全体の減少率よりも低かった。工場の稼働率等の上昇が反映したとみられる。そのため全体に占めるシェアも0.5%増とわずかだが増えた。

 

 業務その他部門(オフィスや商業、サービス等)は2億4900万㌧(同21.7%)で、減少率は5.7%減と、部門別ではもっとも高い減少率を示した。オフィス等の省エネの進展が反映したとみられる。LEDの導入、空調の改善等の効果が指摘されている。

 

GHG2キャプチャ

 

 またエネルギー転換部門(発電所等)は8820万㌧(同7.7%)、減少率は5.4%減で、減少率はオフィス部門に続く高さとなった。再エネ発電の導入の影響が伺われる。家庭部門の排出量は1億8200万㌧(同15.8%)で減少率は4.8%減と比較的高かった。

 

 運輸部門(自動車等)は2億1600万㌧(同18.8%)で、減少率は最も低い1.8%減にとどまった。

 

 一方、CO2よりも、温暖化効果が高い代替フロンの排出量は前年度比10.2%増の360万㌧と増大した。エアコンなどの冷媒が、オゾン層を破壊する特定フロンから、オゾン層は破壊しないが温暖化効果が高い代替フロンに移行したためとみられる。

 

 日本は先月発効した「パリ協定」において、CO2の削減目標を、「2030年度に13年度比で26%減」と国際公約している。また代替フロン対策では、19年からの削減開始を、日本を含む先進国が合意している。

 

 15年度の排出量は、2020年度に05年度比3.8%削減するとした、これまでの国の目標をすでに達成した形となった。ただ、目立つような削減策の強化がない中での達成は、逆に言えば、目標自体が甘すぎたとの見方もできる。

 

 ただ、環境省は「このペースで削減が進めば、30年度に13年度比26%減というパリ協定での日本の目標の達成も見えてくる」と前向きに評価している。

http://www.env.go.jp/press/files/jp/104244.pdf