HOME9.中国&アジア |平昌冬季オリンピックの公式スポンサーのサムスン電子、自然エネルギー100%宣言とは大違いの「再エネ利用率1%」。グリーンピースが抗議行動を各地で展開(RIEF) |

平昌冬季オリンピックの公式スポンサーのサムスン電子、自然エネルギー100%宣言とは大違いの「再エネ利用率1%」。グリーンピースが抗議行動を各地で展開(RIEF)

2018-01-31 22:10:12

sumson2キャプチャ

 

 環境NGOのグリーンピースは、近く開催する韓国での平昌冬季オリンピックの公式スポンサー企業である電子機器メーカーのサムスンに対して、自然エネルギー100%宣言を求める行動を、ベルリンと台北の2カ所で行った。

 

 平昌五輪は、オリンピック史上初めて100%自然エネルギーで開催する目標を設定している。ところが、公式スポンサー企業の一つであるサムスンの自然エネルギー利用率はわずか1%にとどまっている。

 

samson3キャプチャ

 

 自然エネルギー100%宣言の国際運動である「RE100」には、サムスンと同じ、電子電機器関連企業のアップルや、ヒューレットパッカード、フィリップスなどのほか、マイクロソフト、グーグル、フェースブックなどのIT関連企業が名を連ねている。このため、グリーンピースはサムスンに対し、アップルなどと同様に、自社事業およびサプライチェーンの自然エネルギー利用目標を緊急に設定するよう、昨年11月より、同社に対してメールアクションを展開している。

 

 このメールアクションでは、これまでに機構変動対策を求める18000人以上からのメールが直接同社CEO宛に届けられた。また、今回の直接行動の場となったドイツ・ベルリンでは、グリーンピース・ドイツの活動家が、再建中のベルリン王宮の建設現場の上から「今すぐ自然エネルギー100%へ、”できることは、もっとある”(#DoBiggerThings)」と書いた40㎡大のバナーを掲げた。

 

オリンピック施設の工事現場で、自社製品をアピールするサムソンん広告
オリンピック施設の工事現場で、自社製品をアピールするサムソンの広告

 

 台北では、グリーンピース・東アジアの活動家が、サムスンの店舗の上から40〜85㎡の2つのバナーを掲げ「気候変動を悪化させないで」と訴えた。

 

 急成長を続けるIT業界による環境負荷が増大の一途をたどるなか、スマートフォンの最大メーカーであり、半導体等の最大サプライヤーの1社でもあるサムスンは、依然として大部分を化石燃料による発電に依存している。

 グリーンピース・ジャパンのエネルギー担当 石川せり氏は「自然エネルギー100%で行われる平昌五輪の公式スポンサーとして、サムスンは今こそ自然エネルギー100%を宣言をする時。一方、世界中で気候変動への強い危機感がある中、次の五輪ホスト国である日本は、いまだに石炭火力発電所の新規建設を40基以上も計画し、技術輸出を進めるなど、世界の流れと逆行している。脱炭素・持続可能な五輪を実現するために、日本企業も積極的に行動し、社会に変化をもたらすリーダーとなることを期待する」と指摘している。

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2018/pr20180131/