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プロ野球のホームグラウンドの省エネ・再エネ化競争も激化。楽天の本拠地「楽天生命パーク宮城」は、水素エネルギー供給システム導入(RIEF)

2018-04-08 00:19:12

rakuten1キャプチャ

 

   プロ野球が開幕、早くも各地で熱戦が展開される中で、各チームのホームグラウンドの「地球への優しさ」競争も始まっている。東北楽天イーグルスの本拠地「楽天生命パーク宮城」(宮城野原公園総合運動場内)は、今シーズンから、自立型水素エネルギー供給システムを導入、太陽光発電の電力を水素に変換して、球場内の電光表示や球場内のラジオ局などに電力を供給している。

 

 楽天のホームグランドに導入されたのは、東芝エネルギーシステムズ(川崎市)製の自立型水素エネルギー供給システム「H2One」。太陽光パネルで発電した電力を水素に変換してタンクに貯蔵し、その水素を用いて純水素型の燃料電池システムで発電する仕組み。

 

 同電力を使って、球場内の映像や文字などによる電光表示の情報・広告媒体(デジタルサイネージ)の電源や、球場内の地域ラジオ局「Rakuten. FM TOHOKU」の運営に電力を供給する。また発電時の排熱を利用した温水で、手洗い用に供給する。

 

 電源となる太陽光発電は、敷地内に面積144㎡のスペースで設置した(出力は未公表)。燃料電池の出力は3.5kW。1時間に1㎥の水素を生成し、タンクに200㎥分を貯蔵できる。非常時には、貯蔵した電力で、ラジオ局を約72時間維持でき、同局やサイネージを用いた災害情報の発信ができるほか、避難誘導用の照明、携帯電話などの充電用電力も供給できる。

 

楽天のホームグラウンドに導入された水素エネルギーシステム
楽天のホームグラウンドに導入された水素エネルギーシステム

 

 東芝エネルギーシステムズが今回設置した「H2One」は、水素をコンパクトに貯蔵できる水素吸蔵合金タンクの採用などにより構成機器をコンテナ1台に格納したワンコンテナモデル。従来、20フィートコンテナ3台に格納していた機器を1台に格納して省スペース化を実現し、最小限の配管工事で設置が出来るようになったという。

 

 プロ野球の球場は、ゲームのある時には、電力使用量が急増することから、各球場運営会社では、以前から、省エネ、再エネへの取り組みが盛んだ。

 

 たとえば、中日ドラゴンズのホームグラウンドであるナゴヤドームは2016年12月、世界で初めて、球場を覆うドームの屋根に太陽光発電システムを設置した。張り付けたパネル数は1152枚で、年間発電量は6万2000kWhでアリーナ照明の6~7試合分の電力に相当する。全量、中部電力に売電している。http://rief-jp.org/ct4/66600

 

太陽光パネルを張り付けたナゴヤドーム
   太陽光パネルを張り付けたナゴヤドーム

 

 阪神タイガースの甲子園球場は、内野スタンド全体を覆う銀傘の上に太陽光パネルを約1600枚張り付けている。発電電力量は年間約1万9000kwh。阪神タイガースが1年間に甲子園球場で行うナイトゲームで使用する照明の電力量に相当する。

 

 巨人の本拠地、東京ドームも、ナイター用の照明などはLEDに切り替えているほか、夏場の場内の熱気対策として最新の冷凍設備を導入している。今後も、楽天のように水素エネルギーの利用を検討しているという。ロッテのZOZOマリンスタジアムのナイター用照明も今シーズンから全面LEDに切り替わった。

 

 日本ハムは、2023年に北広島市に新本拠地を建設する計画だが、同ホームグラウンドの省エネ、脱炭素化の対策も注目される。

 

https://www.toshiba-energy.com/info/info2018_0326_02.htm